ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)の2016-17年秋冬コレクションが、2016年3月14日(月)、東京・渋谷ヒカリエで発表された。
“夜へ”というテーマのもと、ダークサイドな物語を書き上げた丸山。彼は、暗く重苦しいイメージが先行しがちなテーマに、夢が散りばめられたファンタジーを乗せたワードローブを披露した。
秋の夜空を思わせるBGMに、青白い照明。照らし出されたのは、満天の星空が表現されたドレスだ。星空は、夢の中の住人たちによって星座へと姿を変える。ネイビーとブラック、ブルーのコントラストが、遠大な宇宙の広さを想像させてくれる。
だまし絵のようなレースには、カラスが描かれている。テキスタイルに描かれたコウモリや大きな化け猫のバッグ。あまり好まれるような存在ではないにしろ、祈りや力の対象として祀られるこれらの生き物たちを、ロマンティックな物語の登場人物として輝かせた。
ファンタジーは闇夜を抜け出し、明るい宝石の世界へと進む。蛍光やパステルトーンのするりとした素材に、龍や蝶のモチーフを乗せ、生き生きと動きのある世界観へと観衆を導いた。
ファッションショーという“リアル”にファンタジーを描ききった丸山。それは、日本の職人とともに作り上げたオリジナルの素材や、洋服だけでなく“Fashion”を伝えたいという願いと熱意があったからこそ実現した世界だった。