G.V.G.V.(ジーヴィージーヴィー)が2016-17年秋冬コレクションを発表。
前回のコレクションで、ロシアアバンギャルドとジャポニズムの融合をテーマとしたG.V.G.V.。そのジャポニズムにフォーカスした今季は、形、色彩、それら組み合わせのバランスとして“日本”を表現し、デザイナーMUGらしい世界を創り上げる。
“日本を連想するカラー”、MUGにとってそれは紫と緑で、大胆に綾なす色彩は力強く、鮮やか。梅の花や紋章のようなジャカードは、屏風のような輝きを放っている。リバティとのコラボレーションから生まれたテキスタイルは今季も健在で、小花柄が隠れたパープルグラデーションのペイズリーが渦巻くように放たれた。着物風のカシュクールワンピースやパンツ、シャツといったトータルアイテムが揃い、組み合わせには小刻みなプリーツを施したドットを。
シルエットは、帯から派生したウエストベルトや、着物の重なりを表現したトップス、振袖を意識した手元、ボリュームある袴パンツといった伝統的なもの。それだけでなく、モダンな日本文化、ヤンキーや女学生といったルーズなスタイルも主張している。
象徴的なアイテムは、「JAPAN」や「TOKYO」を漢字風にデフォルメしてあしらったスカジャンだろう。両面に異なる刺繍が丁寧に施され、リバーシブルで楽しめるという秀逸さ。メンズライクなサイズによる適度な落ち感に、シルクによる淡い光沢が相反する上品さを添えている。
アウターは豊作で、定番となったレースアップディテールのMA-1には新型が登場。フェイクファーやニューカラーを投入した。コレクションの中でも一際存在感を放っていたのは、毛足の長い模造のファーを贅沢に用いたガウンコート。ラフなプルオーバーを合わせて、ラグジュアリーとストリートが絡み合う斬新なスタイルを築きあげた。