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クラネ 松本恵奈にインタビュー - 販売員からデザイナーへ、洋服に込める等身大の自分

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クラネ 松本恵奈にインタビュー - 販売員からデザイナーへ、洋服に込める等身大の自分 | 写真

2015年、自身のブランドであるクラネ(CLANE)を立ち上げた松本恵奈。これまで、リエンダ(rienda)心斎橋店のショップ店長、ファッション雑誌『ViVi』の読者モデル、エモダ(EMODA)のプロデューサーなど、多方面での活躍を見せてきた彼女の新たな一歩である。

エモダでは、渋谷109史上歴代3位の初日売上を記録、さらには“おしゃP”と呼ばれるブランドプロデューサーブームの立役者となった。そんな中、5年目を迎えた年に退任を決意。今まで109ブランドとして先陣をきってきた“ギャル”のイメージからは一新。モードで大人な女性のイメージである新ブランド、クラネのテイストには誰もが驚いた。

ファッションプレスでは、彼女のこれまでと現在、そしてもうすぐ2児の母になるという彼女のプライベートについて話を聞いた。

クラネ 松本恵奈にインタビュー - 販売員からデザイナーへ、洋服に込める等身大の自分 | 写真 クラネ 松本恵奈にインタビュー - 販売員からデザイナーへ、洋服に込める等身大の自分 | 写真
クラネの初シーズン(2015-16年秋冬コレクション)より

クラネをはじめようと思ったきっかけを教えてください。

私が過去に長く販売員をしている中で、プロデューサーが年を取るとブランドの世界観が変わってしまうことを感じたことがありました。その変化のせいで、お客様が離れていってしまうこともあって。私は、そんな風にお客様が悲しむ姿をいち店員として直面しました。

私もエモダを始めて、年を重ねるうちにそうなるのは避けたかったんです。だからこそ、30歳ぐらいになったらほかのスタッフに受け継いで、自分は退こうと当初から考えていました。

クラネ 松本恵奈にインタビュー - 販売員からデザイナーへ、洋服に込める等身大の自分 | 写真

エモダを立ち上げたときは、ファストファッションがすごく流行していた時期。どちらかというとエモダ自体もそれに近くて回転率が高く、“消耗品”に近い感覚を抱いていたんです。

ただ、私が30代になった頃、自分の着る洋服1点1点を大事にしたいというような時代の流れが徐々に訪れるんですよね。私自身も、その想いを感じたひとりでした。

ブランド名にはどのような想いを込めたのでしょうか。

ブランド名は、Contemporary(コンテンポラリー)のCとLANE(レーン)から「CLANE」にしました。こだわりが強すぎるブランドにするのも嫌ですし、ファストファッションのようなブランドも嫌。ただ、その微妙なラインって、私は成功するには結構難しいゾーンな気がしていて。だからこそ、そこにトライしてファッション業界に新しい道を切り開けたらと思ったんです。それが「CLANE」に込めた密かな想いです。

難しいことにあえてチャレンジしたわけですね。

何に対してもそうなんですけど、誰かがやっていることをするのはあまり好きではなくて。すでにやっている人がいるなら、その人に任せればいいと感じてしまうんです。そして、挑戦したのがこの難しいゾーン。でも、もちろん事実として、きちんと二ーズがあるとも感じていました。

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クラネ 2016-17年秋冬コレクションより

20代の女性をターゲットにするエモダとは違い、クラネは30代の大人の女性に向けたブランド。20代と30代の女性が求めることの違いって何でしょうか。

値段と品質です。品質っていうのは、素材、その生産国、縫製、パターンというものですね。みなさん、タグを見て買われたりだとか、本当にこだわりが強いです。

ただ可愛いという感覚で買うのではなく、30代の方には本当にいいと思ったものでないと気に入っていただけない。だから、クラネではしっかり中身のあるものを提供しています。

クラネ 松本恵奈にインタビュー - 販売員からデザイナーへ、洋服に込める等身大の自分 | 写真

先ほどもおっしゃられていた、松本さんご自身の「良い服を長く着ていきたい」という考えが反映されているんですね。

私は、ファストファッションと5~10万円の価格帯のものをミックスして着ることが多く、そんなときに感じるのが、ファストファッションよりも良いもので、ハイプライスのものよりはもう少し気軽に買えるものがあればいいな…という気持ち。

その“あればいいな”という部分を、具現化させたのがクラネです。だから、私のような考えをちょっとでも抱いたことがある方に、ちょうど寄り添えるブランドであればいいなと。また、今までワードローブのメインがファストファッションだった方には、クラネをきっかけに「いい服って素敵」と思ってもらえると嬉しいです。

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