ボス(BOSS)の2017年春夏ウィメンズコレクションが発表された。今季は大胆な色使いと手の込んだクラフツマンシップの融合で、活気を身に纏ったコレクションとなった。
柔らかなカーブを描く斜線によってブロッキングされたトップスやワンピースは、官能をわずかに添えながら、スポーツウェアの要素も内包する。これは、プールをモチーフとしたデビッド・ホックニーの作品群に見られる鮮やかな色合いと建築的なラインをインスピレーションの素としたものだ。先シーズンのランウェイを彩っていたリラックスしたテーラードジャケットは、調節可能なストラップ、大きめのポケットを施すことでスポーティな印象をより強めている。
レースにジャカードと手作業で刺繍を施したフローラルなカモフラージュのモチーフを筆頭に、コレクション前半のカラーパレットは、スカーレットやグリーンなどが鮮やかに彩る。後半はブラックのツイードセットアップやホワイトのシースルートップスなどのベースカラー中心になるが、独特な素材を用いることで、様々な表情を見せることに成功している。
編目の細かいレッドのニットドレスには、軽やかなレースとシフォンのタンクトップをレイヤード。積極的な色使いのスタイリングを支える足元には、ソールに繊細なレースとビーズと刺繍を配したレザー製のスライドシューズをシンプルに合わせて。アーティスティック・ディレクターのジェイソン・ ウーが手掛けて6回目となる今季は、伝統的なテクニックと革新性が融合した明るいムードが漂っていた。