m's braque(エムズブラック)が2012年春夏コレクションを発表した。今季は、リゾート地サントロペにインスパイアされ、フランス南部からイタリア国境近くのセレブや上流階級のリゾートスタイルを、伝統的な染めや爽やかな配色、パターンメイキングで表現した。
カラーパレットは白、青、ベージュ、紫。そこにアクセントカラーとして緑、黄色、黒を組み合わせた。これらの色彩は麹塵(キクジン)や黄櫨染(コウロゼン)染めといった、日本の伝統的な染めで創り出された、かつて天皇家にのみ使用が許されていた絶対禁色。その玉虫調の生地の見え方は、蛍光灯の下と白熱灯の下では極端に異なり、高貴な印象を漂わせる。
また、日常用のシャツやパンツにはメモリッチ・ホワイト(永遠の白)といった、主に医療現場にて多用される白を選んだ。汚れにくく、また汚れが付いても落ちやすい加工技術を使用し、紫外線をカットする効果も加えて、デザインだけでなく実用的な面にもこだわったアイテムとなっている。
ベストや、インナー、カーディガン、パンツなどのプリントにはカメオをテーマに、パリ在住の2人のイラストレーターによるイラストを起用。白地に浮かび上がる肖像画が、男性の中にある少年のかわいらしさをさりげなく覗かせる。他には目にも涼しいカラーでフラワー、ストライプ、ボーダーなどが登場。
ジャケットは太く、大きくカーブさせたラペル、胸周りをタイトに仕上げ、フレンチシックな着こなしに。パンツは、70年代の匂いを感じるフレアパンツ、軽やかで上品素材を用いたサルエル、バギー、ペインターパンツなどが登場。ゆとりのあるシルエットで、バカンスにぴったり。ロングシャツに始まり、さらっと着こなすことの出来るレギュラー、ボタンダウン、オープンカラー、フリル、サファリ、等といった豊富なシャツのバリエーションも楽しめる。小物には、爽やかな染めのストールや、カラフルなベルトが入れられリゾートスタイルにより一層爽やかさを増した。
サントロペの風を感じるような、男らしく爽やかな全てのスタイル。バカンスだからといって単に着心地の良さを求めるだけではなく、自身のスタイルに妥協を許さないような、上品なリゾートスタイルが完成した。