ユリウス(JULIUS)が2017-18年秋冬コレクションを、パリ・ファッション・ウィーク初日の2017年1月18日(水)に発表した。
今シーズンは、ウイリアム・ギブスンの長編SF小説『ニューロマンサー(Neuromancer)』にインスパイアされている。本作は、80年代後半にサイバーパンクの先駆けとして発表された。人間の文化、そしてテクノロジーが結びつく新時代を描いた物語である。
しかし今は、そのストーリーが現実のものになってきている。メタ的な視点を現実に重ね合わせて捉え、それぞれのルックには未来的な要素を含ませた。
アウターは終始一貫して大胆な変形フォルムだ。たっぷり取った袖の後ろ側とヨーク部分を繋いで、あるいはラグランラインにそってジッパーを設置。自由自在なフォルムは、開ければそのまま中のトップスが露わになる。ボトムスでは袴のようなワイドパンツが登場しているが、それもまたジッパーとスナップボタンまで配した応用の効く仕様である。
ディテールには紐が用いられ、トップスの伸びた袖とともに縦のラインを強調している。バックパックの装飾や腰に巻いたベルトも長く垂れ下がる状態だ。また、スウェットには「NEU ROMANTKA」のロゴとそのデビュー年である1984の文字が刻まれている。
カラーは、ホワイト、ブラック、ミントグリーン、ペールピンク、そしてオレンジや赤などの組み合わせ。ランウェイを通して、カラーは鮮やかになっていく。温度のない色とある色を組み合わせて、人間とテクノロジーの関係を表しているようにも見える。