バルマン(BALMAIN)2017年秋冬メンズコレクションが、フランス・パリで2017年1月21日(土)に発表された。
去る2016年は唯一無二の個性や反逆的な精神、そして素晴らしいスタイルをもった多くのレジェントたちが亡くなった年であった。悲しみながらも、音楽が持つ開放的なパワーを思い起こしたのは、デザイナーのオリヴィエ・ルスタンも同じだ。今シーズン彼は、そんな「ロック」が生み出す独自の軌道を服で追いかけた。
ショーの出だしは前シーズンから継承する、リラックスしたニットのレイヤードスタイル。続くのはカモフラージュ柄のほか、「ロック」を彷彿させるレザーやタータンチェック使いだ。レザーはスタッズをあしらったクロコダイルの型押しライダースのほか、襟元にアクセントを加えたジャケットに現れた。タータンチェックはバルマンらしいラグジュアリーな雰囲気のラップジャケットやパンツに落とし込まれ、真っ赤にランウェイを彩る。
世界観は徐々にエスカレートし、まるで大声でシャウトするように存在感を放つリッチなカラーパレットのジャケットが登場。よく見ると、精巧な装飾の中にはレオパードやタイガー、イーグル、スネークといった動物たちが隠れているのが分かる。イナズマモチーフもウェアやアクセサリーに落とし込まれた。
そして、ルスタンの描くロックな世界はピークを迎える。まさに80年代を象徴する、黒スキニー+プリントTシャツ+スタッズジャケットといったハードロッカーのスタイルを色濃く反映した着こなしで幕を閉じた。
男らしく大胆、チャレンジを恐れず、人目を引くスタイルを持ち合わせたレジェンドたちは変わらないスタンダードと流動的なトレンドの両方を受け入れ、自由なスタイルを楽しんだ。その大胆不敵なスタイルは、Bon Joviの「Runaway」やQueenの「The Show Must Go On」といったショーのサウンドトラックだけでなく、今回のコレクションにも鳴り響いている。