マルニ(MARNI)をコンスエロ・カスティリオーニが去り、新クリエイティブ・ディレクターのフランチェスコ・リッソは、新生マルニの舵を取った。記念すべきファーストシーズンとなる、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク5日目の2017年2月26日(日)に発表された。
マルニは新しい進路へと大きく踏み出したようだ。ブランドのアイデンティティとなる有機的なモチーフ、コンスエロがラストシーズンにかけて唱え続けていた機能性、そういった要素はほのかに残しつつも、クリエーション全体はエレガンスを探し始めたようで、コンサバティブなムードも感じられる。
序盤は、前マルニの名残を引き継ぐように、装飾を排除した無機質なデザイン。シワ加工を施したテキスタイルを丸みを帯びるように整えた、変形ジャケットやコートが続いた。ショーが進行するにつれて、カラー、デコレーション、シルエットが少しずつ変化していく。色彩は、淡いイエローやピンクなどのライトトーンへ変わり、ラストにかけてはビビッドなブルーやパープルが存在を発揮。ファーや起毛させたウール、ジャカードなどテキスタイルの凹凸が感じられた始まりの姿は消し去るように、ミラーパーツやスパンコール装飾がフィナーレへと繋げる。
スリットスカートやハイネックブラウスなどを揃え、すっきりとしたIラインが基軸とした。川の流れのような曲線的なレースのパッチワークや揺れ動くリボンなどが、細く長いシルエットの美しさを際立たせていく。
ボタニカルモチーフは、手書きの花模様であったり、小花柄であったりで描かれているが、それよりもアニマル模様であったり、ブラトップやキャミソールなど、セクシーで挑発的なエッセンスが全面に押し出されている。前から見るとすっきりとしたドレスも、バックスタイルはスリットを境に折り紙のように折られ、肌見せを助長する。