ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)は、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年3月3日(金)に2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。
今シーズンは、パナソニックの世界初4K60p記録ができる、最新ミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-GH5」を複数台使用してリアルタイム発信を行った。高精細・高画質の映像により、パリの会場から最新ルックをライブで届け、新しいファッションの楽しみ方を提案する。
発信方法は新しく現代的であるが、クリエーションそのものは山本耀司のDNAが生きるもので、ブランドの根底を示している。黒い布、その一枚のテキスタイルで作るアシンメトリーシルエット、優美さを象徴するドレープ、体の部位を曖昧にするフォルム、そして、一度見ただけでは判別できないレイヤード。その複雑なキャラクターは、生地を折り重ね、捻り、ひっかけ作り出されている。
一見すると無造作にも見えるが、すべて計算の賜物。ドレスの胸元に寄せたドレープやショルダーラインに宿った量感は、女性を華やかに見せてくれるし、ワンピースやトップスを横切るよう斜めに、また裾をたくし上げたギャザーは細く華奢にみせてくれる。また、スッと伸びたプリーツをあえてほどいて斜めに配したり、たくし上げたり、その上から刺繍をすることで生地そのものの複雑性を増し、意志を宿したかのような存在感を放つ。
メインパレットは黒一つ。だからこそ、時折ペイントや刺繍で差し込まれたパープル、レッド、グリーンの鮮やかさが際立っている。ラストにかけては生地の凹凸や量感など全てで排除されたすっきりとしたテーラードを。様々なデザイン性がなくなったとき、ただ残るアシンメトリーなシルエットがとても強い意志を放っている。