コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の2017-18年秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年3月4日(土)に発表された。
ドレスの上に不規則に並ぶこぶ。大きく膨らんだもの、小さくさりげなく存在するもの、様々な凹凸がドレスの上に存在している。もちろん女性らしさを感じさせるような、身体のラインに即してものではなく、太ももあたりでいきなりくびれたり、ボリュームの欲しくないはずのウエスト辺りで膨らんだり。不規則で気まぐれな動線が身体上を走り、今まで見たことのあるもの・繰り返される出来事とは異なる新しいものを作り出す。
球体が連なったもの、菱形や三角形のピースが並んだもの。その唯一無二の形状を作り上げる構成要素そのものも多種多様である。素材は、厚手のフェルト風のもの、ペイントを施した起毛素材、レース、段ボール紙のようにシワ加工を施したものなど、統一感なくあらゆる方面から寄せ集まったという具合で、形状だけでなくテキスタイルもバリエーション豊かだ。
彫刻またはアートピースのような最新ルックをかろうじで服らしい服に見せるのは、ウエストラインに配されたベルベットリボンやレザーのベルトだ。彼らの存在が腰の位置を示し、ファッションであることを改めて気付かせてくれる。
他と一線を引いたのは、フィナーレにかけて登場した服らしい2ピース。1つは溶接で様々なパーツを貼り付けたような、上半身がメルティングしている黒いロングコート風のもの。そしてもう一つは、ラストルックを飾ったホワイトコットンのドレスで、他の硬質なピースとは異なり、ポンポンと跳ね動き女性らしい可憐さを身に着けている。