ティート トウキョウ(tiit tokyo)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月20日(月・祝)に発表された。ランウェイには、小松菜奈、松井愛莉も参加し、海外コレクションでも活躍している福士リナ、ストリートでも人気の高いモデル宮本彩菜といった豪華な顔ぶれのモデルが揃った。
日常に描く夢をテーマに、これまで少女の儚さや切なさをファッションを通して綴ってきた、ティート トウキョウ。今季は「hers」をテーマに、インターネットなどのインフラが整っていない時代、空想を膨らませながら見たことのないものに思いを馳せた、懐かしいときに焦点を当てている。手掛かりとなったのは、映画『スーパーエイト』。2人の少年がわずかな知識と考えをもとに冒険へ出る物語で、スティーヴン・スピルバーグも制作に参加しているSF作品だ。
作品の世界観をファッションに落とし込む。パンツのセットアップは、ゆったりとしたシルエットでパジャマ風に。スカート&ジャケットのスタイルは、異素材を重ねたりアシンメトリーなカッティングをしてノーマルからは遠ざけた。フォーマルはゆるさと程よいバランスで混ざり合い、フェミニニティはマスキュリニティと出会い、どのピースも一つのものにはカテゴライズできないほど独立し、雑多な印象すら受ける。
デザイナーがこだわったというテキスタイルは、オリジナルが7~8割。シルクなど様々な形状の糸から織られたツイード、裂いた生地を束ねて織った裂き織り生地。織物に見せて実はプリント、ニットに見せて実はジャカードといった、捻りを加えたものもある。
全体的にはレトロで落ちついた印象であるが、メガネや星モチーフの刺繍、ボタン付きのスリットとデコレーションは、過剰なほど投じられている。特に、流れるリボンはふんだんに用いられていて、アーム部分、袖口、ボトムスの裾から顔を出している。このリボン、ショーの招待状にあしらわれたものと同じもので、自分の手にしているものがランウェイに登場することで、来場者、ランウェイ、さらにバックステージまで気持ちの面で繋がるのではないか?というデザイナーの思いが込められているそうだ。