リチウム(LITHIUM)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月24日(金)東京・渋谷ヒカリエにて発表された。
メンズラインのリチウム オム(LITHIUM HOMME)と、ウィメンズラインのリチウム ファム(LITHIUM FEMME)を合同で発表。ショーには俳優・古川雄輝も登場した。
リチウムがショー形式でコレクションを発表するのは2010年以来7年ぶり。6年間、細かいディテールや服の中身をつくり込み、やっと完成してきたと語るデザイナーが見せたのは、極限まで研ぎ澄まされたベーシックの形だった。
ベーシックを語る上で欠かさせない“黒”をメインカラーにした服には、無駄な色は混ぜ合わせない。序盤は、ジャケットからパンツまで全てのアイテムが黒一色の、シルエットの美しさがものを言うルックが登場した。
コートやジャケットは、若干オーバーなサイズ感。主張するほど大きすぎることはないがニュートラルでもない、現代風のシルエットに落とし込んだパターンテクニックはさすが。ブラック一色のカラーリングも、精巧に作り込んだシルエットの美しさを引き立てる。
コレクションに変化を与えたのは、スーベニアジャケットをメインにコーディネートしたルックだ。髑髏や虎、鷹といったモチーフを日本の地名と共に刺繍したこのジャケットは、戦後、外国人のお土産として流行したアウターだ。60年以上スーベニアジャケットの刺繍を続けてきたという群馬・桐生の職人にこの刺繍を施してもらったという。細かい装飾にまで歴史の長い職人の技を落とし込んだのは、永遠の定番性のある服を目指す本ブランドならではの美学だろう。
また、ウィメンズは、オーバーシルエットのファーコートや、ファーポケットをアクセントにしたロングコートなど、とりわけデザイン性がプラスされたワードローブだった。ライダースや細身のブラックジャケットなど少し印象の強いアイテムに、レースのトップスを合わせて女性らしさを加えたスタイリングにまとめたのも印象的だった。