・自分のことを楽器って呼ぶの面白いですね。
そうですよ、だって体の色々なところを響かせて、声を出しているから。全身使って歌っているから音が色々と変わる。子供産んでからも変わったんじゃないかな?昔はそこまでわかっていなかったけど、歳をとってくると変化がわかってくるようになってきました。でも今もオリジナルキーのまま。大概女性の人は、声が出なくなったり、太くなったり、男性の人でも4度くらい下げたりするけど、私はサウンド、響き重視だからオリジナルキーを大切にしたくて。
・詞の部分でこれから書きたいテーマはありますか。
詞は、やってきたことすべてに影響を受けているから、バトンリレーのようなものだなって思っていて。だから、次に大きく影響される人によるかな。息子は音楽的な感覚が信用できるので、影響を受けるでしょうね。
あとは、ライブをやってるときに芽生えてくる。来てくださる方々は、いろいろな感情を持って足を運んでくれるので、お客さんから愛してもらうと今日はいい感じだなって感じるときがあるんですよね。
・息子さんからの影響は大きいんですね。
最近、息子が面白いことを言って「俺、音が好きなんだなって」って。生活の中で鳴った音に、「あ、いい音してる」って言ってて。「うん?確かに今のいい音だったけど」って言ったんだけど、そのとき母ちゃんもそうだなって感じたんです。要するに、音楽好きな人ってそういう耳から入ってくる、心地よいなって感じる音をもっとわかりやすく楽しくプロデュースすることができる人たちだと思うんですよね。
例えば、私は言葉も音になってて。会話の中で、同じような言葉があっても、なんでそれを選んだかを大切にしていて。最近歌詞にもしたけど、「内側の外側」って言葉が気に入っている。大人になると顔に責任を持つのは大事だと思っていて、それを普通は「心が顔に表れる」っていうけど、私は「内側の」っていう言い方が好きだなって。外側がすぐそこにあるような気がして、人を見るとあなたのその見た目、それ心の外側だよって考えると面白いんですよ。そういうのを歌詞を書くときに気が付くんですよね。
初のオールタイムベストアルバム『Naked & Sweet』を2016年11月に発売し、全国ライブツアーを終えたCharaは、約2年4カ月ぶりにニューアルバム『Sympathy』を2017年7月に発売する。
・ニューアルバム「Sympathy」のコンセプトは?
「シンパシー」ってタイトルは、全曲が揃ってほぼ完成したときに考えたタイトル。アルバムを作りはじめた時は親密さという意味の「インティマシー」がキーワードで、落とした種でした。真の親密さって何だろうってふと考えだして。親だから子どもが泣いているのがわかるとか、日常の中で人間だから感じる魔法のようなこと、目に見えないところで人の心が通じ合ったりすること、そういうのって面白いなって考えていたんですよね。その種からだんだんいろんなものが栄養素として言葉が集まってきた感じというか。
・落とした種から初めに生まれた楽曲を教えてください。
最初に作ったのは「Stars☆☆☆」という曲なんですけど、アルバムに入れるかは決めてなかった。ビスコのCM用に書き下ろしの依頼をもらって作っていたけれど、いい曲だったから迷って迷って最終的に入れたものなんです。
これは働く女性のための歌を作りたいと思ったところからスタートしたの。私も働く女性だし、恋も愛も全部、欲張りでいたいじゃない?ちょうどその頃、ベストアルバムを出すタイミングで、恋も愛も全部っていうイメージをちょいちょい入れていきたいと思っているうちに、
「愛には正直が可愛い。よく笑い、嘘を嫌い、いつも歌い、風と太陽みたいに」
って歌詞が浮かんで。こういう女性いいよね、こういう女性でいたいよねって。話すように歌いたいなって最近思っているので、私を知っている人が歌詞を見ると、なんかCharaが話しているみたいって思うかもしれないな。
・歌詞にはCharaさんからのメッセージが込められているんですね。
言葉に出すことって臆病になりがち、、、特に私は詩を書いていて、それは出したら引っ込められないから。子供を持ってから昔よりさらに責任あるなって思っていて。どこでどう影響を与えるかわからないし、小さな子供にふと点をつけることになるかもしれないし、一つの言葉によって意識させることもあるかもしれないし。言っちゃったら引っ込められないなっていうのをすごく感じているんですけど、でも臆病になりすぎちゃいけないなとも考えていて。
これまでのアルバムの中で、まだ言葉にできないけど伝わるといいなって気持ちが一番詰まっているかも。伝わるといいなって気持ち、優しく言いたいなって気持ち、そういう今の思いを音のお絵かきでもって「はいどうぞ食べてください」って仕上げたんです。
・最後に一つ、Charaさんにとって音楽って何ですか。
自分自身が音楽かな。友人たちにも「Chara自身が音楽だよね」って言われたことがあって。私もよくわかんないけどCharaっていう音楽があるんです。
オリジナルフルアルバム『Sympathy』には、インタビュー中でも紹介された「Stars☆☆☆」、大塚製薬「ファイブミニ」のCMソング「Sympathy」など、Charaファンのみならず思わず口ずさんでしまう人気のナンバーが13曲が詰め込まれた。また、Charaと縁のあるアーティスト、愛息子と一緒に制作した楽曲も盛り込まれている。
注目は、くるり岸田繁と水曜日のカンパネラ・ケンモチヒデフミとのコラボレーション。1曲目を飾る、岸田繁との「Tiny Dancer」は、2年ほど前からCharaが温めていたテーマで、「この曲は絶対岸田くんにお願いしたらいい」という彼女の希望から自らオファー。歌詞をCharaが、作曲&サウンドプロデュースを岸田が手掛けた。Charaは、歌詞からメロディーを作る作業を大切に、岸田が歌詞をほとんど崩さず活かした形で作曲してくれたのでとても嬉しかったとコメントしている。異色の組み合わせとなった、ケンモチヒデフミは作詞曲&サウンドプロデュースを担当。「夏のドライブデート」「人魚姫」などのキーワードの元制作された、ゆったりのれる大人のダンスチューンで、Charaのリクエストにより”ポンポンした音”が散りばめられている。
さらに、ニューアルバム『Sympathy』を引っ提げ9月からは全国ツアーをスタート。9月1日(金)の恵比寿・LIQUIDROOMを皮切りに、その後9月3日(日)の福岡・DRUM LOGOS、9月8日(金)の愛知・Zepp Nagoya、9月17日(日)の大阪・Zepp Nambaを経て、9月24日(日)の東京・昭和女子大学人見記念講堂でファイナルを迎える予定だ。デビュー25周年イヤーの締めくくりをフルバンド編成で巡る全国ツアーとあり、音楽ファン必見のライブとなりそうだ。
Charaニューアルバム『Sympathy』
発売日:2017年7月19日(水)
[通常盤初回仕様](CD)KSCL-2926 3,500円+税
[初回生産限定盤](CD)KSCL-2924~5 3,000円+税
<参加ゲスト>
Kan Sano、岸田 繁(くるり)、kensuke ushio(agraph)、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)、mabanua、BASI(韻シスト)、TAKU(韻シスト)
■DISC 1 収録曲(初回・通常共通)
1. Tiny Dancer
2. Stars☆☆☆(江崎グリコ「ビスコ」CMソング)
3. Sympathy(大塚製薬「ファイブミニ」CMソング)
4. Mellow pink
5. Funk
6. Love pop
7. Herbie
8. Symphony feat.mabanua
9. Intimacy
10. Darling Tree
11. KILIG
12. Sweet Sunshine(渋谷マークシティ「Singing Christmas ~私色を奏でよう~」タイアップソング)
13. 小さなお家
■DISC2収録曲(初回のみ)
Chara ALL TIME BEST LIVE
“Tremolo Sparks” 2017.1.22 at 昭和女子大学 人見記念講堂
1. 世界
2. Break These Chain
3. 大切をきずくもの
4. 月と甘い涙
5. あたしなんで抱きしめたいんだろう?
6. やさしい気持ち
7. Happy Toy
Bonus Track
8. メンバー紹介
<ツアー情報>
Chara Live Tour 2017 “Sympathy”
・2017年9月1日(金) 東京・LIQUIDROOM
・2017年9月3日(日) 福岡・DRUM LOGOS
・2017年9月8日(金) 愛知・Zepp Nagoya
・2017年9月17日(日) 大阪・Zepp Namba
・2017年9月24日(日) 東京・昭和女子大学人見記念講堂