サルバム(sulvam)の2018年春夏コレクションが、2017年6月18日(日)にイタリア・ミラノで発表された。
わたしが今ここに立てていることを、とても嬉しく思ってたますし、本当に感謝しています。この8分間はあなたのためにーー。このメッセージが、私たちを迎えてくれた。
初めてのミラノでの即興演奏は、軽やかなファブリックのセッション。場所が東京からミラノに移れどそれは変わらない。作る瞬間、いま思うことを純粋にぶつけて、この大舞台に挑んだ。
きちんと総裏仕立てのスーツのはずなのに、裏地と表地が分離しているのは当たり前。裾は解れたまま遊ばせるのが基本だ。袖山が外れていたって、色ムラのある染め方だって気にしない。むしろそれがサルバム流の“カッコイイ”。
素材は、裏地と表地のレイヤード感を堪能できる軽量感のあるものばかりを選んでいる。サイドスリットやベンツ、ワイドなシルエットをうまく生かすことで、この荒々しさの意味が大きくなっているように思える。
ボトムスに合わせたボンテージパンツや、ジッパーを走らせたタイトスキニーも、おそらく反骨精神のようなものを現している。解体と再構築を繰り返したような縫い目が施されたレザーも、荒っぽい演出には欠かせないものだ。
こんな風に“荒っぽい”とか“雑多な”という言葉が浮かんでくるアイテムは、むしろサルバムにとっては“丁寧”とか“きれい”とかに通じる言葉なのかもしれない。その中に繊細さや美しさが感じられるからこそ、不思議と人を惹きつけるのだろう。