もうひとつの理由はいかがですか。
もうひとつの理由は、毎シーズン生み出している新しいプリントや商品が可愛らしくて、楽しいことです。
多数のプリントを世に送り出している一方で、変わらず芯にあるものを教えてください。
「brighten up your day」の言葉通り、人々を笑顔にしたいという想いはキャス キッドソンにとって最も大切。会社のチーム皆が皆を輝かせたいと思うこと、そして商品を買ってくれるお客様に笑顔になってもらいたいということ。商品にかかわる全ての人々の生活を輝かせたいという風に思っています。
それにあたっては、私たちは5つの言葉を思い描いていて。まずひとつは、遊び心をきちんと入れるようにという意味の「楽しさ」です。そして、イギリスの生い立ちや成り立ちを考えようという意味の「英国の伝統」、ヴィンテージに繋がる「ノスタルジー」、対照的にモダンへとつながる「独創性」。最後に一番重要な「英国の風刺」。これは、ユーモアのセンスをもつことを忘れない、ということを指しています。
コラボレーションによるプリントも印象的ですね。
キャス キッドソンでは、過去、世界中の人々に愛されるブランドと数多くのコラボレーションを行ってきました。近年のコラボレーションで言うと、ディズニーやスターバックス コーヒー(Starbucks Coffee)がそうですね。もし、キャス キッドソンを知らなかったとしても、ディズニーやスターバックス コーヒーは皆さんご存知ですよね。
コラボレーションをする上で大切にしていることはありますか。
自分たちのクリエイティブをしっかりとストーリーに入れ込んでいくということです。単に商品に置き換えるのではなく、キャス キッドソンのデザイナーと相手ブランドのデザイナーの双方が協力し、新たにオリジナルのキャラクターを描くのです。
例えば、ディズニーとのコラボレーションであれば、キャス キッドソンのストーリーにおいて、ディズニーの世界観をどのように描けるかを考えます。プリントは、私たちがもっとも得意とする表現です。イラストレーションはすべて手描きで行っています。
さらに、数あるキャラクターの中でもキャス キッドソンと同じくイギリスが舞台となっているものを選んでいます。過去に発表した『くまのプーさん』や『101匹わんちゃん』はイギリスの話。そして、新たに登場する『ピーター・パン』も、ロンドンを舞台にしたストーリー。キャス キッドソンとの親和性も高いのです。また、ミッキーマウスはアメリカのキャラクターですが、ウォルト・ディズニー社との相談で、ミッキーマウスがロンドンの街に観光に来たらという想定のもと製作しています。
コラボレーションだけでなく、日本限定コレクションなども展開されています。日本人に好まれるデザインにおいて特徴はありますか。
日本人はディテールへのこだわりが非常に強い。世界中のあらゆる国に行きましたが、これだけディテールに関心を寄せる国ってなかなかないですね。何かを買った時の包装であったり、手渡しするときの所作ひとつをとっても拘りがあるのだと感じます。おそらく、日本に住んでいらっしゃると、それほど意識されないかもしれませんが……。
一方で、日本限定で展開したスターバックス コーヒーとのコラボレーションもすべてが手描きでディテールが作り込まれています。キャス・キッドソン著書である『COMING UP ROSE』があったり、愛犬のビリーがいたりするプリントで、このコラボレーションのためだけに書き起こしたものです。だからこそ、日本人の好みに触れることが出来るのかなと思っています。
コラボレーションを記念し、2017年9月4日(月)にはサプライズイベントを開催。
キャス キッドソンで装飾したスターバックス コーヒーの移動型カフェが丸の内オフィス街に現れた。
根底にあるものは創業から一貫していながらも、こうしてスペシャルな取り組みも含め、毎シーズン絶えず新たなファンタジーをプリントにのせて発信している。そこにはあるひとつの想いがあった。
根底にあるものが変わらずとも、コラボレーションを含め新しいデザインが絶えず生み出される理由は何でしょうか。
デザインは時代と共に変化するもの。なぜなら、私がヴィンテージと考えるものと、私の娘がヴィンテージと考えるものは違う。「モダンヴィンテージ」というコンセプト自体が、時代と共に変わるのではないかと思うのです。だから、価値観の変化を読み取って変えていくことが、デザインの進化に繋がっていくと確信しています。
2016年2月に発表したモノトーンのカラーコレクション「フューチャーフローラル」は「仕事場に持っていくバッグで、色が目立ちすぎるのは少し抵抗がある」という女性に対して、落ち着いた色の組み合わせが何かできないかと考えてできたものです。しかしながら、トーンダウンしているとは言っても、手描きのフローラルプリントであるという根本的な部分は変わっていません。
そして、新たに発売されている「カラー バイ キャス キッドソン」もそうです。キャス キッドソン定番のローズプリントを「色を使いつつも落ち着いたデザインで見せることが出来ないか」という新たな考えがあって生み出したものです。こうしてプリントデザインを生み出すため、今では毎日、口酸っぱく「NORM」という言葉をデザイナーたちに伝えています。
「NORM」にはどのような意味があるのでしょうか。
新たなプリントを開発するため、常に一つのことを念頭に置いて仕事に入ってほしいと思い、作った言葉が「NORM」。「NORM」というのは、「NEW(新しさ)」、「ORIGINAL(オリジナル)」、「RELEVANT(レレバント)」、「MODERN(モダン)」の頭文字です。「RELEVANT」というは、その時代のお客様が、ポジティブに自分の対象として捉えられるかということ。新しい作品を作る際、これは本当に「NORM」であるか否かを自分に問いかけなさいとデザイナーたちにいつも話しています。
それに、「NORM」は日本では規範や標準、基準という意味。ニュアンス的に、“やらなくてはいけないこと”という意味を持っています。ここには先ほど言った風刺的な意味も関わっています。「NORM」は「規範」だから変えてはいけないこと。でもキャス キッドソンとしての「NORM」は「変えること」なのです。
私たちは意識的に変革して、人々を笑顔にするために日々新しいものを提案していきたいと思っています。商品を手に取るひとの感情に訴えかけ、世界中のお客様とエモーショナルな部分で繋がることが出来れば嬉しいですね。
【ケニー・ウィルソン プロフィール】
2011年11月にCath Kidston LtdにCEOとして就任。国内外におけるビジネス拡大を牽引すると共に、それまでブランド創立者により国内中心に行われていた同ブランドのビジネスをグローバルブランドに転換。2016年にはインドに初出店を果たし、アルゼンチン、メキシコなど南米地域にも進出を予定している。なお、それ以前はリーバイ・ストラウス・ヨーロッパでコマーシャルオペレーション部門シニアヴァイスプレジデントを経てリーバイスブランドプレジデントとしてヨーロッパ地域でのビジネス拡大をリード。また、Claire’s Accessories社でヨーロッパ地域社長として約2年で利益を2倍にすることに成功、ヨーロッパ地域に200店舗以上の新規出店を果たした。
【詳細】
「COLOUR by Cath Kidston」
発売日:2017年9月7日(木)
販売店舗:全国のキャス キッドソン直営店及び、オフィシャルオンラインストア
価格例:
・タブ サドルバッグ マット クレッセントローズ 8,100円+税
・バックル バックパック クレッセントローズ 10,800円+税
・ショルダートート マット クレッセントローズ 8,100円+税
・フォルダウェイ オーバーナイトバッグ クレッセントローズ 8,900円+税
・スモールポーチ クレッセントローズ 1,800円+税
・ラージポーチ リストストラップ付 クレッセントローズ 2,600円+税
URL:http://www.cathkidston.jp/f/dsd-011047001--
【ショップオープン情報】
■新店舗オープン
・渋谷マルイ店
オープン日:9月8日(金)
住所:東京都渋谷区神南1丁目22-6 渋谷マルイ店 1F
営業時間:11:00~21:00/日・祝 11:00~20:30
・新宿マルイ店
オープン日:9月8日(金)
住所:東京都新宿区新宿3-30-13 新宿マルイ店 本館3F
営業時間:11:00~21:00/日・祝 11:00~20:30
・そごう千葉ジュンヌ店
オープン日:9月15日(金)
住所:千葉県千葉市中央区新町1001 そごう千葉ジュンヌ館 1F
営業時間:10:00~20:00
・広島パルコ店
オープン日:9月22日(金)
住所:広島県広島市中区新天地2-1 広島パルコ店 新館 3F
営業時間:10:00~20:30
■リニューアルオープン
・吉祥寺パルコ店
リニューアルオープン日:9月8日(金)
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-5-1 PARCO2F
【問い合わせ先】
キャス キッドソン ジャパン 株式会社 カスタマーサービス
TEL:03-4579-3219(平日 10:00〜17:00)
PR:キャス キッドソン ジャパン 株式会社