2012年2月19日、ロンドンファッションウィークでアクネ(ACNE)が2012-13年秋冬コレクションを発表した。マテリアル、テクスチャー、カラーやシェイプのミスマッチから生まれる、新たなバランス感覚を追求して創りあげられた今シーズンのコレクション。デザイナーのジョニー・ヨハンソンは、ハンガリー出身の写真家アンデル・ケルテース(Andre Kertesz)とドイツ出身の画家であるハンス・べルメール(Hans Bellmer)の作品にインスパイアされたのだそう。
まず注目したいのは、ボリューム感。バックにたるみをもたせたアウターや、ダウンのようにもこもことしたトップスなど上半身にボリュームを持たせ、コルセットのようなワイドベルトでしっかりとウェストマークし、細身のボトムで締めるコーディネートが目立った。
その独特なバランス感を際立たせているのが、素材である。シューズ用のレザーをジャケットに用いるなど、ベーシックなマテリアルを型破りな方法で使用し、新たな風合いを生み出した。また、ウールやカシミアニットといった素材と、ビニールやナイロン、パワーネットなど人工的なものを対比させることで、それぞれの特徴をひきたたせている。
カラフルな色使いはアクネらしいともいえるが、今季もまぶしいほど鮮やかなグリーンやオレンジといったビタミンカラーから、淡い水色やイエローまで、幅広いカラーセレクト。エンジやグリーンは力強く、水色とベージュのルックは優しげで、女性のあらゆる面が表現されているようだ。斬新でパワーがあり、見たみたものを元気づけるコレクションであった。