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Q.レコーディングで特に楽しかったエピソードを教えてもらえますか?

イギリスのロック界を代表するギタリストのジョニー・マー、そしてシンガーソングライターのポール・ウェラーを始めとした豪華なメンバーが参加してくれたんだ。『フー・ビルト・ザ・ムーン?』に参加した人たちすべてが最高のミュージシャンだったことに、僕はただ「すげえ!」と思うだけだったよ。

1曲目の「フォート・ノックス」はレコーディングの最終日にやったんだけど、本作に入れるつもりもなく、行き場のないアイデアだった。でも、オードリー・バッグウィーディーという名前の女の子を、デビッドがセッションに招いたんだ。そして彼女が歌い始めると、歌詞などなく、この世のものとは思えなかった。彼女は素晴らしかったね。

それから「イッツ・ア・ビューティフル・ワールド」のフランス語のスポークンワードを担当したシャーロットも、信じられないほど感動的だった。

Q.UKロック界において重要なギタリスト、ジョニー・マーとの制作エピソードは?

ジョニー・マーに、「この曲を弾いてくれ」と頼んだ。彼に「何を弾いてほしいの?」と言われて「分からない」と。すると、驚くことにハーモニカを出してきて吹いたんだ。ギタリストが、何も言わずにハーモニカを取り出すんだ、「すげえ!」と思ったね。こんなクリエイティブな人たちと一緒にいて、彼らが自分の曲に取り組んでいるというのはとても光栄だったよ。

ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ
アルバム『フー・ビルト・ザ・ムーン?|Who Built The Moon?』ジャケット
ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ
アルバム『フー・ビルト・ザ・ムーン?|Who Built The Moon?』ジャケット

Q.この作品のアルバム・ジャケットはあなたが選んだデザインに決まったそうですね。アルバム・ジャケットにはどのようなメッセージを込めたのですか?

隠されたメッセージがあるわけではまったくないんだ。そして非常に曖昧で不明瞭なジャケットになっている。だからそれを見ると、自分の考えをそれがどんなものであっても投影することができる。

アルバムのアートワークはというと、フロントに女の子がいるんだが、それは妻だ。

アートワークは、ギャレス・ハリデイという男と一緒にやった。俺が彼の作品をみて、気に入ったんだ。連作先を探して、コンタクトを取って見ると、てっきりプロのアーティストだと思っていたのだけど、彼は郵便配達員だったんだ。「今、配達中で忙しい」と言われたけど、彼とミーティングを持った。

彼に俺の曲を送ると、彼からたくさんのアイデアが送られてきた。そうしたある日突然、「こういうのを描いてみたんだが、見てみないか?」と言われ、一枚の絵を見せてくれた。それには1950何年かのナショナル・ジオグラフィック誌から取った女の写真があり、その女を絵の上に重ねていたんだ。でも、法の専門家にこの写真は使えないと言われた。それはナショナル・ジオグラフィック所有だからだときたもんだ。つまり、その写真の彼女に代わる格好いい誰かを探さなければならなかった。

そこで閃いた。側に座っていた妻に向かって「なあ、金曜日は何をしている?俺のアルバム・ジャケットになりたいか?」と聞くと、「ええ、いいわよ」と言われたんだ。それで決まりだ。彼女はアメイジングさ。

ノエル・ギャラガー インタビュー|写真7

Q.『フー・ビルト・ザ・ムーン?|Who Built The Moon? 』の制作はとてもスムーズだったようですが、音楽を作る上で困難に感じることもあるのですか?

ソングライターとして最も難しいのは、喜ばしいことについて書くということだ。そして、喜ばしい曲を書くというのは、この世界で毅然としているということだ。クソみたいなことや憎しみに直面しても、「美しい世界だ。なんてことだ」と言えるというのは、物事に屈しないというメッセージだと思う。

Q.今後やってみたいことや、達成したいことは何かありますか?

『フー・ビルト・ザ・ムーン?』以上の作品を作ることができたら大偉業だね。俺はあまりに凄過ぎるから、引退しなければならないかもしれない。これ以上にはならないよ。この後、どうしたらいいか本当にわからないよ。ここまで凄くできるというのはつまらないものだよ。

2018年にはワールド・ツアーも予定されており、ニュースが目白押しのノエル・ギャラガー。

ノエル・ギャラガー インタビュー|写真6

Q.来年はツアーを予定されていると聞きます。日本にはいつごろ来てくれますか?

俺次第なのだとしたら日本には今すぐにでも行きたいよ。

日本での滞在はいつも楽しいんだ。長い道のりだし、誰からも常にサインを求められて追いかけられ、面倒くさいんだが、そういうのをすべてひっくるめても、世界中で一番お気に入りの場所なんだ。というのも、俺のサイズの服があるからなんだよ。ほら、俺がどれだけ痩せているか見てみろ。ショッピングは楽しみだし、それから食べ物もね。日本食は大好きなんだ。

Q.少々気の早い話ですが、どのようなライブを想定していますか?

まだリハーサルもやっていないので、どういうビジュアルになるか分からないんだ。新譜からは6曲ほどプレイし、それ以外のアルバムからシングルをプレイするだろうな。それから今回はオアシスのとても目立たない曲をプレイしようと思うんだ。これまでにプレイしたことがなかった曲をね。前回行った時と同じくらい素晴らしいものであればと願うだけだよ。

詳細

ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ
アルバム『フー・ビルト・ザ・ムーン?|Who Built The Moon?』 ※国内盤CD(全13曲)
日本先行発売日:2017年11月22日(水)
※iTunesは2017年11月22日(水)配信開始。
※輸入盤(CD/LP)は11月24日(金)発売。

■国内盤ボーナス・トラック収録(初回限定盤・通常盤共通)
歌詞・対訳・解説付
・初回生産限定盤(CD+DVD) 3400円+税
※ハードカバー・ブックレット+3方背ボックス仕様
・通常盤(1CD) 2200円+税
※紙ジャケット仕様

■国内盤CDトラックリスト
01. フォート・ノックス
02. ホーリー・マウンテン
03. キープ・オン・リーチング
04. イッツ・ア・ビューティフル・ワールド
05. シー・トート・ミー・ハウ・トゥ・フライ
06. ビー・ケアフル・ホワット・ユー・ウィッシュ・フォー
07. ブラック & ホワイト・サンシャイン
08. インタールード (ウェンズデイ・パート1)
09. イフ・ラヴ・イズ・ザ・ロー
10. ザ・マン・フー・ビルト・ザ・ムーン
11. エンド・クレジッツ (ウェンズデイ・パート2)
12. デッド・イン・ザ・ウォーター
(ライヴ・アット RTE 2FM スタジオズ, ダブリン) ※世界ボーナス・トラック
13. ゴッド・ヘルプ・アス・オール ※日本盤CDボーナス・トラック

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