ティート トウキョウ(tiit tokyo)は、2017年10月16日(月)に、2018年春夏コレクションを東京・渋谷ヒカリエにて発表した。
テーマは「パープルレイク」。大都市の郊外に、大きな紫色の湖を中心に据えた架空の町を描き出し、ごく近い将来の桃源郷を投影する。現代において、進化し続けるテクノロジーのみに価値を求めるのではなく、自然の感覚や人の手による創造をこれからいかに生かしていくことができるのか?そんな問いに対して、ティート トウキョウが“今”考える理想像を提示したコレクションだ。
現実と非現実の狭間に存在する、近未来のオアシス。都市を少し離れて人がバカンスを楽しむ開放的なムードを、ホテルのプールサイドで着るようなガウンや、ロビーに飾ってある絵画の様なプリント、また民族調のフリンジ付ドレスで表現した。揺れ動くフリンジの上には立体的なトーションレースを施し、表情豊かにドレスやスカートを彩る。ふわりとしたシルエットのライダース型ブラウスも、リラックスした表情を見せる。
シルクや和紙、綿などを混ぜ合わせて織られたファンシーツイードは、沢山の色が複雑に絡まり合い、優しく淡い色味に。自然由来の素材と人工的な素材を混ぜ合わせて作られた、ふわふわとした質感が、浮遊しているかのような幻想的なムードを作り出す。自然とテクノロジーの力を両方駆使することで生まれたファンシーツイードは、ティート トウキョウが描く、そう遠くない未来を象徴している。
透明感のあるナイロンオーガンジーには、植物の絵をデジタルプリント。纏った身体と一体化するかのようにも見える。その一方で、ブラウスやドレスに刺繍された植物は、絵画的な存在感を放つ。また、ラメをあしらったニット地がキラキラと光りを放つ様子は、日光を受けた水面のようだ。
テクノロジー、人、自然、それぞれが力を発揮しながら理想的な世界を作り上げていく。あと少しで手が届きそうなユートピアを服作りに落とし込んで可視化した。