ヘンリック ヴィブスコフ(HENRIK VIBSKOV)の2018年春夏コレクションが、「Amazon Fashion Week TOKYO」中の2017年10月16日(月)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。
デンマークのブランド、ヘンリック ヴィブスコフの18年春夏コレクションはすでにコペンハーゲンやパリで披露されている。金沢21世紀美術館でインスタレーションを行うことに合わせて、東京でもショーを行うことになったという。今回のショーでは、以前日本で目にしてクールに感じたという工事現場で働く人々からインスパイアされた演出を行った。
ショーの冒頭、ランウェイの中心に作業着を着た男たちが登場し、金属の棒を繋いだアーチを掲げた。そこには、布団の中で人間が眠る様子を寝袋のような素材で模った物体が吊り下がっている。この一風変わったインスタレーションが意味するのは、今季のテーマ「THE GREAT CHAIN OF SLEEPERS」だ。同ブランドの先シーズン、2017年秋冬コレクションのショーの最中に、一人のパフォーマーが眠ってしまったという出来事をきっかけに、デザイナーは“睡眠”を、人間の睡眠から動物の睡眠まで、様々な角度から考え始めたという。
特徴的なのは、そのテキスタイルだ。ファーストルックのワンピースは、瞼の裏に現れてくるような抽象的な柄を、立体的な加工によってチェック柄の上にのせたテキスタイル。動物が丸くなって眠っている様な絵を柄にした布地も、端がほつれたような立体的な加工で仕上げてある。
また、ギンガムチェックやストライプといった柄のほか、リップルなどのパジャマ風の布地もリラックスしたムードで“スリーパー”を象徴している。さらに、大きなあくびの瞬間を真正面から目にしてしまったような、口の中のグラフィックを描いたニットなど、ポップな印象のウェアも登場。北欧の雰囲気も感じるような、ソフトでいてユニークで、インパクトのあるデザインが印象的だった。
これまでに発表されたショーとは異なるスタイリングが披露されたことにも注目したい。ジャケットは腰にラフに巻かれ、まるでアクセサリー感覚。全身グリーン一色のセットアップのルックは、ジャケットを真横にずらして着用することで変化を付けた。なお、ショーではウィメンズとメンズコレクションが同時に披露された。