エルザ・ウィンクラー(ELZA WINKLER)の2018年春夏コレクションが2017年10月8日(水)に、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。
エルザ・ウィンクラーがショーを行うのは今回が初めて。「ハンガーにかかっているだけでは服の魅力は伝わらない。」そう語ったデザイナー中井英一郎が作り出したのは、確かに、そのデザインやシルエットで生身の人間の美しさを存分に引き出すアイテムたちだった。
テーマは「アンダー ザ ムーンライト」。月明かりの下で躍動する動物、特にメインモチーフであるフクロウの「美しさ」や「強さ」、「賢さ」が再現された服たちはランウェイの上で生き生きと個性を発揮する。
まず、印象的なのが、大きく立体的な襟で、胸元が開いたジャケット。中には下襟から上襟までボリュームがある設計を施し、セーラー服のように背面までその面積が至るものまである。このダイナミックな襟の形状は、デコルテのデザインにこだわりを持ったブランドであるが故であろう。モデルの全身を通して見ることで、この襟のデザインが果たす役割を理解することができる。
パーツの大きさやデザインからこそ「強さ」を感じるが、アイテム全体としては「美」が追求されている。大きな襟によって上半身にボリュームを出し、ウエストを絞ることで、女性的なシルエットのボディラインを描くジャケット。そのデザインからは、「女性らしさ」をより華やかに、そして明確に表現しようとするブランドの強い意志が感じられた。
ショーの後半で登場したのは、インパクトのあるイエローのドレス。フクロウの羽をイメージしてデザインされたこのドレスは、ショーの中でも抜群の存在感を誇った。この、羽のように柔らかな表地は全てカッティングによって製作されたもので、中井の技術が如何なく発揮された逸品だ。
他にもこれまでのコレクションのイメージを踏襲した、鮮やかでありながらも、あくまで落ち着いた「大人」の女性に向けたアイテムが登場。美しいシルエットラインで、ラグジュアリーかつスマートな雰囲気を醸し出すアイテムを身に纏ったモデルたちは、まさに「暗中飛躍」する夜の生き物であった。