パリファッションウィークで発表された、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の2012-13年秋冬ウィメンズコレクション。"フェティッシュなレザー使い"、"ジュエルウーマン"、"センシュアリティ"の3つのパートから構成され、強く美しい女性をイメージした。
大きく強調されたショルダーラインと細くマークされたウエストでつくるV字のシルエットが今季の代表的なスタイル。ムッシュ イヴ・サンローランがデビューから90年代後半までの間に数多く発表した、シャイニーレザーを使用した、パワフルで現代的な女性が纏う甲冑をイメージさせるシルエットだ。
シックでありながら強さを感じさせるファーストルックでショーがスタート。ネックラインやベルトバックルなどにもV字のシルエットが表現され、今季を象徴するアルム・リリーの花は、刺繍やジャカードなどの様々なテクニックで描かれている。
コレクション全体に散りばめられたきらめきのデザインも印象的。ブラックが基調のカラーパレットには、エメラルドやルビー、そしてアメジストなどのジュエルカラーが艶やかな色調をもたらし、シャイニングエフェクトやメタリック加工のニット、またメタルチェーンなどの独特のアクセントが、素材に動きのある表情を加えている。シューズのヒールにも、ダイアモンドのファセットを思わせるミラーが使われまばゆい輝きを放った。
メゾンのクチュールテクニックを用いて女性の強い個性を表現し、極限までイヴ・サンローランらしさを追及したコレクションだ。