ジェニー ファックス(Jenny Fax)は、日本のレザー企業とタッグを組み、オリジナルレザーファッションショーを日本最大級の革と皮革関連資材のトレードショー「第97回東京レザーフェア」で披露。同フェアは、東京・浅草にて2017年12月6日(水)と7日(木)の2日間にかけて開催され、ショーは受付にて登録を行えば誰でも参加が可能だ。
これまで東京ニューエイジ、ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)らが発表してきた「東京レザーフェア」でのファッションショー。今季、選ばれたのはジェニー ファックス。ブランドが得意とする“カワイイ”を、クラシカルでカッコいいイメージのあるレザーを主役とし、表現している。
フリルに満たされた、エプロンワンピースは、色を幾度も塗り足した立体的なパステルカラーのレザーで、精巧にバラの花が型押しされている。たっぷりのボリュームはレザーならでは。その立体感がいつもなら強さを表してしまいそうなものだが、きちんとフェミニンやガーリーを纏っている。一方で、ランダムなドットは、ハンドパンチの技術を応用した柄。規則性がないからだろうか、ハンドメイド独特のあたたかささえ感じさせる。
レザーという硬質的な素材に柔らかさを足すために、軽やかな素材プラスしていたのも印象的だ。レザーで形作ったパフスリーブのような袖には小さなフリルをあしらっている。エプロンにあわせたワンピースやトップスは、シフォンやオーガンジーなどのテキスタイルで、レザーにはない軽やかな揺れをもたらした。
レザーが可愛い主役であるため、その引き立て役として70年代を想わせるマニッシュなチェック柄やクラシカルなブラウンのローズプリントを採用しているのも面白い。スタイリングの中でも、時折登場するオーバーサイズのジャケットなどが思い切りのいい“カワイイ表現”を中和させるものとして存在している。
大枠で見たカワイイとクラシカルなマニッシュスタイルとの交錯の中、小さな女の子らしさも際立っていた。特に目を引いたのは、にっこり笑った女の子や花々の刺繍。レザーに温もりを与える、あるいはほのぼのとした印象を与えるそれらに加えて、揺れるハムスターはナードなシャツワンピースさえジェニーファックスの世界観へと導いた。
デザイナーのシュエ・ジェンファンは、今回のショーに向けて事前に「レザーは暗い色や渋い色が多いですが、パステル系など明るいレザーをオーダーしました。レザーの色はすごくきれいだと感じました。」と述べている。テーマはWISH。彼女の手法によって乙女心くすぐる可愛らしさで満たされたショーは、まさに彼女の願いそのまま。そして、これからのレザーの可能性を感じさせた。
【イベント詳細】
「第97回東京レザーフェア」
ジェニー ファックスによるレザーファッションショー&トークショー
開催日時:
・2017年12月6日(水) 13:00~、15:30~
・7日(木) 11:00~、13:00~
会場:都立産業貿易センター台東館
住所:東京都台東区花川戸2-6-5
入場料:無料
※登録入場制、受付にて登録すれば入場可能。