映画『ギャングース』が、2018年11月23日(金)、全国の劇場で公開される。同名コミックを原作に、入江悠監督が実写化に挑む。
過去に「モーニング」掲載の人気コミックだった『ギャングース』。原作は、裏社会の実態をリアルに描いた“超実証主義漫画”として知られており、ストーリー共同制作者・鈴木大介による未成年犯罪者への取材を題材にストーリーが描かれている。また、物語の冒頭には毎度"この漫画は実話を基にしたフィクションです。ただし犯罪の手口はすべて実在しますので、ぜひ防犯に役立てて下さい"というブラックユーモア溢れる注意書きが記されている。
物語の主人公となるのは、少年院で共に過ごしたサイケ・カズキ・タケオ。3人は、犯罪集団だけを狙って窃盗を繰り返す"タタキ"稼業を開始し、裏社会でもポジティブに生き抜いていく。男の友情を描いた青春エンターテインメントを送る。
個性溢れるメインキャラクターには、3人の若手俳優が抜擢された。
窃盗団の情報収集、作戦立案担当のサイケ役には『トリガール!』『虹色デイズ』など近年映画界からオファーの絶えない俳優・高杉真宙、犯罪集団だけを狙って窃盗を繰り返す"タタキ"稼業をしながら生き別れた妹を追い求めるカズキ役に『火花』出演の加藤諒、窃盗団の車両担当タケオ役は、『勝手にふるえてろ』で出演だけでなく、"黒猫チェルシー"として主題歌を担当した渡辺大知が演じる。
主演の3人の脇を固めるのも、個性的な俳優ばかりだ。ヤクザ組織などに属さない“半グレ”系アウトローで構成される犯罪営利組織“六龍天”のトップに君臨する安達役を、世界的な活躍で知られるギタリストMIYAVI、詐欺組織の番頭として安達の下で複数の店舗を統括する加藤役に、アーティストの枠を超え俳優としても数々の作品に出演している金子ノブアキ、加藤の部下であり恋人でもあるアゲハ役を、入江監督作品『ビジランテ』での熱演も記憶に新しい篠田麻里子が演じる。
その他にも、情報屋の高田役を林遣都、サイケたちの味方になるキャバクラ嬢ユキ役を山本舞香、詐欺組織の用心棒的存在である海老名兄弟役を斉藤祥太、斉藤慶太。そして詐欺店舗店長の班目役に『ビジランテ』に続く入江監督作品の出演となる般若、安達への復讐に燃える川合役に勝矢が起用されている。
また、各俳優は、それぞれの原作キャラクターを忠実に再現するため、ヘアスタイルをロン毛やモヒカン、金髪に変更し、合せて眉毛も薄く剃り上げた。原作ファンを裏切らない、ビジュアルに仕上がった。
監督は、『22年目の告白ー私が殺人犯ですー』やオリジナル作品として話題となった『ビジランテ』を手掛けた鬼才・入江悠。原作者・鈴木大介からの熱望に応えて制作が実現された『ギャングース』だが、監督自身も取材を繰り返し、4年もの月日を費やしたという。人間の心理を巧妙に描く入江悠手掛ける『ギャングース』は、原作以上のリアルな裏社会ストーリーが期待できそうだ。
主題歌は、『ギャングース』の主題歌のために結成されたユニット“The Gangoose”が歌う「CRYBABY」。タケオ役の渡辺大知による作詞・作曲・プロデュース、メインボーカルによる書き下ろし楽曲で、サイケ役の高杉真宙とカズキ役の加藤諒もコーラスで参加している。また、“The Gangoose”の正体の全容は、追って明かされる。
『ギャングース』
公開日:2018年11月23日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:入江悠
原作:肥谷圭介・鈴木大介『ギャングース』(講談社モーニング KC 所載)
出演:高杉真宙、加藤諒、渡辺大知(黒猫チェルシー)、林遣都、伊東蒼、山本舞香、芦那すみれ、勝矢、般若、菅原健、斉藤祥太、斉藤慶太、金子ノブアキ、篠田麻里子、MIYAVI
製作・配給:キノフィルムズ/木下グループ
■ストーリー
職ナシ。学ナシ。犯罪歴アリ。生まれたときから最底辺。親から虐待され、ろくに学校にも行けず、青春期を少年院で過ごしたサイケ・カズキ・タケオ。社会に見放された少年3人が生き抜くためにつかんだ仕事は、悪(犯罪者)だけをターゲットにした“タタキ”(窃盗、強盗)稼業。3人は、裏稼業・悪徳業種の収益金を狙う窃盗団を結成する。暴力団排除の機運の中、日本の裏社会に存在するヒエラルキーにも転換期が訪れ、ヤクザ組織に属さない“半グレ”系アウトローで構成される犯罪営利組織“カンパニー”の支配権を侵す。3人は後戻り不能なキケンな領域に立っていたがー。