サカイ マン(sacai man)の2018-19年秋冬メンズコレクションが、2018年1月20日(土)にフランス・パリで発表された。
製作にあたって、デザイナーの阿部千登勢はTruth (真実)という言葉に着目した。インディペンデンスかつ大胆であること。現状に満足せず、自分自身が求める答に対して常にチャレンジすること。自身の信念とアイデンティティに正直でありながら新たなものを創造すること。Truthという宣言を出発点として、自らの在り方、表現の方法を探究していく。
探究のため、まずはルールを覆す。その手段としてサカイが得意とするハイブリッドはもってこいだ。ノルディックニットには、パーツを切り替えることで米軍ミリタリーの実用性をもたせた。アランニットは当初のあるべき姿を逸脱し、クリケットセーターと組み替えられ、ダッフルコートとして新たな機能を宿している。
この真実の探求におけるハイブリッドの手法の中、ひとつ新たな試みが生まれている。360度どこから見ても立体的に見えるプロポーションだ。コクーンのようにふんわりと身体を包み込む独特のフォルムは、幾通りかの着方を楽しめる新たな提案のひとつである。
ディテールにおいては、不揃いなボタンやファーによるトリミングなどが、おそらく探究のかたち。さらには、機能的側面、あるいはディテールの混合だけでなく、テキスタイルのハイブリッドは創造性に満ち溢れてる。ノルディック柄はフラワーモチーフ、カモ柄などと共存し、どのテイストにも偏ることのない新たな世界観を完成させる。探究の末たどり着いた先にある、今シーズンの洋服たちにこそ、真実が隠されている。