「生誕60周年記念 くまのパディントンTM展」が、東京・広島に巡回する。
東京は、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて4月28日(土)から2018年6月25日(月)まで、続く広島は、奥田元宋・小由女美術館にて2018年7月6日(金)から8月26日(日)まで開催される。
イギリスを代表する児童文学「パディントン」シリーズは、1958年にマイケル・ボンドの執筆した1冊の本から誕生した。物語の主人公となるのは、南米ペルーから単身でイギリスにやってきた一匹の子グマ。ロンドンのパディントン駅で、心優しいブラウン夫妻に出会った子グマは、「パディントン」と名付けられ、家族として迎えられることに。やがて、パディントンは騒動を起こしながらも、街の人気者になっていく。
ハートフルな物語を綴った「パディントン」シリーズは、世界中で40以上の言語に翻訳・出版が重ねられてきた。アニメや絵本の他にも、近年では映画『パディントン』『パディントン2』が公開されるなど、今なお世界中で愛され続けている。
「くまのパディントンTM展」は、「パディントン」シリーズの誕生60周年を記念して開催される。全5章の展示構成で展開される会場では、各作家による絵本や漫画の原画や、世界中で出版された書籍の展示などが行われる。
「第1章 パディントンの物語」の入口で迎えてくれるのは、パディントン生誕の地・ロンドンの「パディントン駅」を映した超大型パネル。そしてそこには、同駅に実際に設置されているという、愛らしいパディントンの銅像のレプリカが観客を歓迎してくれる。
この章では、児童文学「パディントン」シリーズの挿絵を担当したペギー・フォーナムの貴重な原画作品を始め、複製画を展示。パディントンの物語を辿りながら、物語に登場するキャラクターやイギリスの名所などを紹介していく。
注目は、「第3章 世界のパディントン」。1958年の出版以降に、次々と新作を世に送り出した「パディントン」シリーズは、1972年より児童向けの絵本も出版。複数のアーティストによって様々な挿絵が描かれてきた。
第3章では、そんな絵本に使用された挿絵の原画を展示。風刺画のようなユーモラスな絵を描く、デイビッド・マッキーや、水彩画の柔らかなタッチが特徴のフレッド・バンベリーなど、アーティストによって異なる印象に描かれているパディントンを鑑賞することができる。
また世界中で出版された書籍の数々を展示するほか、日本で翻訳を担当した松岡享子と惜しくも2017年にこの世を去った作者、マイケル・ボンドとの手紙のやりとりが公開されるなど、パディントンファンにはたまらない空間が広がっている。
そのほか「第2章 パディントン誕生秘話」ではマイケル・ボンドの仕事道具や貴重な私物が公開され、「第4章 パディントン大活躍」では、イギリスの新聞に掲載された、パディントンの漫画の原画や、各国で製作された様々な表情を持つパディントンのぬいぐるみなどが展示される。
また、本展での音声ガイドナビゲーターは、俳優・瀬戸康史が担当。世界中で愛されているパディントンの世界に、来場客を誘う。
展覧会を楽しんだ後は、併設されたパディントンのグッズコーナーへ。ここでは、シュタイフ(Steiff)とコラボレーションしたパディントンのテディベアや文房具、iPhoneケースなど日本ではなかなか手に入らないパディントングッズが一堂に集結。