モスキーノ(MOSCHINO)は、2019年リゾートコレクションをロサンゼルスで発表した。
サーカス小屋さながらの装飾を施した会場内には、円周を描くようにランウェイを設置。円の中心には、サーカスのパフォーマンスに使用するボールなどの小道具が無造作に置かれている。ジェレミー・スコットが手掛けるモスキーノならではの“劇場型ランウェイショー”が展開された。
冒頭から、サーカス団を彷彿とさせる賑やかなルックの数々が登場。金糸の刺繍とゴールドのボタンでデコラティブに仕立てたナポレオンジャケットや、蝶ネクタイやジャケットの絵をプリントしたカットソー、アクロバティックなパフォーマーを思わせる、タイトで華やかなセットアップなど、夢想的でハイテンションなピースが揃う。
ダイヤモチーフやドットで表現されたメタリックなファブリックは、薄暗く、妖しくも華々しい劇場内を表すかのような色彩が印象的だ。ゴールドをベースにブルー、ピンク、グリーンなどの色を乗せたミニドレスはわずかな毒々しさを映し出し、下に重ねた紙吹雪のようなブラウスとともに余韻を残す。
過剰なまでに大きいイエローフレームのサングラス、パニエでファンシーなフォルムをキープするピンクのドレス、規格外の蝶ネクタイなど、誇張されたフォルムが非日常的な雰囲気を演出する。花を装飾したピンクのドレスは、正面から見るとスカート部分全体がふわりと広がっているように見えるが、横から見ると立体ではなく平面。だまし絵のような、ユニークなフォルムに仕立てている。
ネオンイエロー、ライトグリーン、ピンク、レッド、オレンジなど思わず注目してしまうような強いカラーパレットがコレクションを彩る。ランダムに模様を描く、サイケデリックなピンクのコートにはライムグリーンのタイツを組み合わせ、突き抜けるようにポップな存在感を提示。また、アニマルモチーフも散見された。ターバンからコート、シューズ、バッグに至るまで全てレオパード柄で統一したルックや、フェザーを纏ったスタイリング、マジックで登場する白いハトをそのまま身にまとったレオタードからは、痛快な大胆さが感じられる。
鮮やかなグラデーションのマントを羽織ったモデルがパフォーマンスへ移行すると、ランウェイ上に登場するルックは一気にエレガントな雰囲気に。ボリューム感のあるレッドのファーのショールには、オーガンザにきらびやかなレッドの装飾を施したピースを組み合わせ、ラグジュアリーなムードを演出。様々な色の糸で複雑に刺繍を施したロングドレスは、眩しい程の輝きを放つ一方で、繊細な美しさも見せた。