とらや(TORAYA) 赤坂店が、2018年10月1日(月)にリニューアルオープン。
1964年に誕生した旧赤坂店は、地上9階建てのビルとして竣工。それから半世紀以上もの歳月を重ね、リニューアルオープンする同店は、和菓子屋として必要な要素に特化した低層の建物へと生まれ変わる。目指すものは、これからの来場客のことを考えた"居心地の良い店"であるということ。「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」を追求する店として、随所に拘りを詰め込んだ店舗構造となっている。
新たにオープンする「とらや 赤坂店」は、自然光の差し込むガラス張りの外観が特徴。主に地下1階から地上3階が来客用のフロアとなっており、地下1階はギャラリースペースとして、和菓子や日本文化を発信する企画展やイベント、虎屋文庫による資料展の開催などを開催している。
続く1階は、来場客を迎え入れるエントランスとして機能。予約品の受け渡しなど、スピード感を要するサービスにも対応。2階に上がると、フロア一面にとらやの菓子を取り揃えた開放的な売り場が広がる。定番商品から特別注文商品まで対応し、用途に合わせた様々な菓子を購入することが可能だ。
第2回の企画展として「とことわの書―自然のことばー」を2019年2月24日(日)まで開催。会場では、とらやの商品パッケージに書かれている筆文字の菓銘を手掛けてきた、古郡達郎の書を展示する。縦3メートルにもおよぶ大型作品をはじめ、様々な書体で描かれる作品群からは、その文字以上のメッセージを感じることができる。
そして3階は、菓子製造場である「御用場」と喫茶の「虎屋菓寮」を併設。「御用場」は、同店で販売する一部菓子を製造。またその製造工程をガラス越しに見学することもできる。一方「虎屋菓寮」は、従来地下のフロアだったものを3階に移設したことで、より明るく開放的な空間を実現。半個室席やテラス席なども用意する。
なお新店の内装には、吉野の檜を使用。一部の壁面は黒漆喰で仕上げ、居心地の良い雰囲気が随所に漂う。これらの店舗設計は、「とらや 東京ミッドタウン店」「とらや 京都一条店」「TORAYA TOKYO」などを手掛けた内藤廣によって実現されている。
特製羊羹「千里の風」が「とらや 赤坂店」限定で再び登場。屋号の虎にちなんだ黄と黒の虎斑模様の見た目も楽しい一品になっている。
大正7年の菓子見本帳にも描かれている歴史ある生姜入焼菓子「残月」。「とらや 赤坂店」限定の「残月」は、店内の御用場で当日作られ、菓寮でも食べることが出来る。
とらやを代表する羊羹「夜の梅」。切り口の小豆が夜に咲く梅の花を思わせることから、この名が冠せられた。餡づくりの際、渋きり(アク抜き)の回数を少なくしているため、小豆の味が損なわれず、風味がしっかりと感じられるのが特徴だ。