ミツル オカザキ(MITSURU OKAZAKI)は、2018年10月16日(火)に、2019年春夏コレクションを渋谷ヒカリエで発表した。
2シーズン目となる今回、インスピレーションを得たのはドイツの画家・ネオラオホ(Neo Rauch)。スモーキーな色彩で描かれる、シュールで狂気に満ちた世界観に惹かれたという。絵画に登場したモチーフが、服のフォルムやディテールで表現されている。
絵画の中の、“葉”が茂る様子を表現したデニムスカートは、曲線にカットした生地をうろこ状に重ねた装飾で、躍動感のある仕上がりに。1つ1つの“葉”にはギャザーが寄せられ、生き生きとしたイメージを描き出す。
また、ヴィヴィッドな赤に彩られたブラウスやスカート、メンズのブラックのシャツにも、花弁を思わせるギザギザとした立体的な装飾があしらわれている。植物的な造形をストレートなデザインで服に落とし込むことで、逆にフィクション性を帯び、ファンタジックな表現へとつなげているのが印象的だ。
袖がもう1つずつ付いているようなジャケットや、腰辺りまで伸びるセーラーカラー、流線形のカフスなど、誇張されたフォルムからも、シュールな表現への憧憬が見て取れる。跳ね上がるような形のサンダルは、狼を足に履くイメージ。非現実的な要素を、軽快に実現した。
また、ファスナーを、トップスの袖やパンツの裾に何本もあしらい開放することで、独特な服の動きが生まれ、ドリーミーな表情に。素直で直感的なフィルターを通すことで、クレイジーな世界観が、ミツル オカザキ独自のユーモアを孕んだ世界へと昇華した。