ミツル オカザキ(MITSURU OKAZAKI)の2022年春夏コレクションが、2021年8月30日(月)に発表された。
今シーズンのテーマは、「サーカス」。エンターテインメントが停滞しているように見受けられる世の中に、“楽しいもの”の象徴であるサーカスからインスピレーションを得た、“楽しい”洋服を届けたい。デザイナー岡﨑満は、そんなポジティブな思いから、今季のクリエーションをスタートさせた。
着想源となったのは、80年代のサーカス。コレクションには、賑やかな舞台を思わせるプレイフルなムードと、どこかレトロな雰囲気が同居している。
ひときわ目を引いたのが、岡﨑が自らイラストを描いたというピエロのモチーフ。Tシャツのフロントには大胆なグラフィックで、シャツの襟もとにはワンポイント刺繍で取り入れられたこのモチーフは、滑稽なパフォーマンスで観客を楽しませる道化師そのもののように、着る人にも見る人にもワクワクとした気持ちを与えてくれる。
モチーフだけでなく、パターンやシルエットも、ピエロの衣装からインスパイアされたもの。ジャケットのスリーブにはプレイフルなレインボーストライプを、フライトジャケットの身頃にはダイヤチェックを落とし込んだ。シャツやパンツには生地をたっぷりと使い、道化師を連想させるふっくらとしたシルエットに仕上げている。
岡﨑による“楽しい”コレクションを完成させるのは、サーカス団のブランコ乗りが身に着けるヘッドアクセサリーやミラーボールから着想を得た鏡のようなパーツ。ルックの足もとに、この装飾を散りばめたスニーカーを一貫して投入している。フィナーレを飾った煌びやかなブラックドレスも、サーカスに魅了され、心躍らされる人々の気持ちを投影しているかのようだった。