ベルルッティ(Berluti)は、クリエイティブディレクターとしてクリス・ヴァン・アッシュを迎え、初のランウェイプレゼンテーションを2019年1月に行う。そのプロローグとして2019年春夏カプセルコレクションを発表した。
クリス・ヴァン・アッシュは、これまでのベルルッティが築いてきた歴史と向き合い、その歴史と今を繋ぐべく、今季のクリエーションを考察した。さらには、新しい時代の幕開けに向けて、これまでにない視点でベルルッティを表現しようとしている。
表現の上でベースに敷いたのは、これまでのメンズウェアの歴史を築いてきたスタイルの数々。ツーボタンのジャケットとセンタープレスのスラックスからなるスーツや、機能的なボマージャケットなど、ジャンルに限りはない。ただ、そこに取り入れたモダンな表現が今季のクリスが目指した新しいメゾンの歴史の形と繋がっていて、例えばスーツはクロップド丈が主流だったり、ボマージャケットは、まるで美しい海を見るようなブルーが採用されている。
最も現代的なスポーツウェアの抱合も面白く、トラックジャケットやスニーカーの取り入れ方が印象的だ。まるでカレッジスタイルを想わせるようなハーフパンツやアーガイルニットなどその表現からは、ベルルッティの真骨頂であるエレガンスだけでなく、若々しい活力さえも感じられる。
美しい色使いもまた、新しい視点が加えられた表現へと変わった。優しさ、そしてエレガンスの表現を膨らませる従来のカラーパレットだけではなく、ほのかに力強さ、逞しさに目覚めたような色味は、レッド、ブルー、グリーンといったエネルギッシュなラインナップだ。
ベルルッティのアイコニックなシューズには、通常よりも厚底を採用して、新しい風を吹き込んだ。例えば、メゾンのアイコニックとして知られる「アレッサンドロ」。1895年、熟練の職人でエレガントなフォルムを愛するアレッサンドロ・ベルルッティの名を冠す、この最もアイコニックなシューズは、外に見える縫い目がなく、一枚革から作られたエレガントな1足。クリスは、それをレザーの厚底でモダンに再解釈した。
そして、アンディ・ウォーホルにちなんで命名された「アンディ」ローファーはクリーパーソールで厚底にし、18世紀の手稿モチーフを用いたベルルッティオリジナルの「スクリット」シリーズは、グラフィックプリントでカジュアルウェアやバッグに取り入れた。