マルベリー(MULBERRY)の2019-20年秋冬コレクションは、モダンな英国らしさを追求する。クリエイティブ・ディレクターに就任以来、英国のエキセントリックさを起点にクリエーションを進めてきたジョニー・コカだが、今季は視点を変更。トラッドの中にモダンさを交え、新しい形の英国らしさをファッションで表現する。
ベースとなるのは、相反する要素をミックスさせるアプローチ。マニッシュなテイストに女性らしさを加えたり、可憐なスタイルにイギリスならではのパンクなエッセンスを投じたり…。
メンズスーツのようなシャープな印象のジャケットは、太いレザーベルトを合わせて、“砂時計型”のシルエットを構築。女性の曲線美が露わになる美しいラインを作り上げることで、男性的な雰囲気を緩和させた。
ミニ丈スカートとブルゾンのセットアップスタイルは、その甘さを中和するようにパンクな要素をプラスする。スカート全体、ジャケットのポケット部分には“多すぎるほどの”アイレットをあしらった。
今季のキーモチーフとなるのはチェック柄。英国で生まれたアイコニックなパターンは、意外性のある配色で登場したり、艶やかなスパンコールを施したりすることで、従来のクラシックなイメージを脱したモダンな表情を見せている。
スーツスタイルやスカート&ジャケットの2ピース、ワンピースなど、オーセンティックなスタイルが主流ではあるが、現代のムードを受けてダウンジャケットなどのスポーティなウェアも提案されているのもユニークなポイント。
新作バッグは3型。3つのシルエットで展開されるサッチェルバッグの「キーリー」、トートタイプとバケツ型の2種類を揃えた「ミリー」そして、オフィスシーンにもOKなフォーマルスタイルの「アイリス」が仲間入りしている。