ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)の2020年ウィメンズリゾートコレクションが、東京国立博物館 表慶館にて、2019年5月24日(金)に発表された。メンズ・レディースの合同ショーである。
ブランド史上初となるリゾートコレクションのファッションショー。この記念すべきショーに合わせて、デザイナーのジョルジオ・アルマーニ本人も約12年ぶりに来日し、舞台となった東京国立博物館 表慶館のランウェイを歩いた。
ショーの舞台に東京を選んだのは、2019年3月のアルマーニ / 銀座タワーリニューアルオープンを祝すためだけでなく、日本という国がジョルジオ・アルマーニのデザインに長きにわたってインスピレーションを与え続けているからでもあるという。ゲストをエントランスから会場へと誘うように設置された灯篭からも、日本文化へのリスペクトが感じられた。
今シーズンのクリエーションそのものも、日本へオマージュを捧げたもの。ファッション業界で独自のスタイルを貫いてきたブランドのスピリットを、島国として独自の伝統を紡いできた日本に重ねつつ、トレンドに身を任せることのないクリエーションを生み出している。
ジョルジオ アルマーニを語る上で欠かせないマスキュリンなテーラードジャケットには、今季も多くのこだわりを詰め込んだ。フォルムはショルダーラインをやや強調し、際立たせたものが主流で、上半身にぴったりとフィットする美しいシルエットが魅力だ。
軽やかなブラウスやシャツワンピース、ガウンコートなど、歩くたびに美しく揺れ動くアイテムは、縦に流れるような優美なシルエットが特徴。しなやかな布地がボディラインに沿った上品な落ち感を見せたり、空気を適度に含んだエレガントなドレープを生み出したりしている。
カラーパレットは極めて多彩。ブラウンやネイビーといったダークカラーにはじまり、ベージュやグレーなどのニュートラルカラーを差し込みつつ、徐々にブルーやレッドなどのビビッドカラーへと移り変わっていく。
一際目を惹いたのは、序盤に登場したブラウンとミントで構成されたべっ甲のようなパターン。ウエストをきゅっとベルトマークしたコートや、ジャケットとパンツのセットアップ、ハットなど様々なアイテムに起用された。
後半に差し掛かるとプレイフルな装飾を施したアイテムも散見され、真っ赤なヤシの木モチーフをあしらったセットアップや、レッドやホワイトのフラワーを刺繍したブルーのシアードレス、ピンクやグリーン、ブルーなど様々な輝きをはらんだトップスなどがランウェイを彩った。