私たちは、日本で成功できたことをとても誇りに思っています。日本は世界のファッション市場の中でも最も成熟したマーケットであり、たくさんの洗練された製品が存在し、そして日本の人々にはそれらに関する知識があるからです。また、日本をアジアの市場への窓口として捉えています。
クオリティの維持、また、ブランドイメージをよりコンテンポラリーに成長させていくことです。そうすることで、ターゲットの顧客層を拡大していくことができると信じています。
伝統(テーラリング)と革新(生地の研究開発)は日本とイタリアの両方の文化に根付いています。だから、日本のデザイナーとは多くの共通点があると思います。
カラー(kolor)とのインスタレーション - ミラノにて
「Quality understatement and easy to wear - 控えめで味わい深いクオリティと着やすさ」というコンセプトを、ボリオリの製品で体感してみてください。
ボリオリの現CEOのロベルト・ファルキは、東京と香港を中心としたプラダ(Prada)のアジア部門トップを務め、その後イタリアに戻りマルニ(MARNI)の総支配人、そしてパリのディオールオム(Dior Homme)のヘッドも務めた人物。ファッションマーケティングのスペシャリストでもある彼から見たボリオリとは。
私がCEOになってから3年になります。私のキャリアで培った経験を活かし、ボリオリの技術と商品マーケティングの手法に融合させました。
今日の顧客はとても成熟していて、知識もあります。ですから、特別なアイデンティティが確立された製品であれば、そんなハイエンドな顧客へも、スーパービッグブランドではなくても訴えかけることができるでしょう。
2012年秋冬コレクションはこれまでのエレガントルックを保持しつつ、スポーティ・カジュアルを提案している。
カジュアルラインでは、ピーコート、サファリジャケット「チェルシー(CHELSEA)」に加え、注目のティーエスエス(ts(s))の鈴木卓爾とのコラボレーションアイテムで、モールスキンの「M65」、コーデュロイの「フィールドジャケット」、ダッフルコートの「モンゴメリー」、そして軽量の14ミクロンウールの「スポーツジャケット」を展開。
ブランドを象徴するアイテムである「Kジャケット」のラインでは常に貴重な素材を形にしており、今季はシルク・リネンをミックスしたジャケットが登場。
他にも、ハイゲージで製品染めがほどこされたニットウェアが、ショールカラーのカーディガン、タートルネックのセーター、ダブルブレストのカーディガンの3モデルで、豊富なカラーも魅力だ。機能性の高さと、ボリオリの個性を再構築した洗練されたデザインが存分に楽しめる。
Interview by Mikio Ikeda
Text by Hamae Yamamoto