マイケル・コース コレクション(Michael Kors Collection)は、2020年春ウィメンズ&メンズコレクションを発表。
ニューヨークブルックリンのDuggal Greenhouseにて発表された今季のショー。開放的な会場の中では、ニューヨークシティの青年少女合唱団がコーラスを披露したり、賑やかな生演奏が行われたりと、都市の賑やかさを演出。ニューヨークの街が持つエネルギーやオプティミズム、コミュニティの豊かさを感じさせた。
コレクションでは、パワーとロマンスのバランスを追求し、アメリカンスタイルと美しさの多様性を表現。象徴的なのは、マスキュリンでありながら華やかさも兼ね備えたパワーショルダーのピースだ。ネイビーのテーラードジャケットは、肩の部分に生地をたっぷりと使い、ギャザーとともにパワーショルダーに仕立てた。
また、肩を強調しつつ丸みを帯びた袖付けでフェミニンさも添えたジャケットやニット、立体的なフリルでショルダーの形を強調したワンピースなど、柔らかくも力強いデザインが散見された。ショー終盤に登場したきらびやかなドレスもドレープ、ギャザーを細やかに駆使しながら、張り出したショルダーとタイトに仕立てたウエストによってメリハリのあるシルエットに。エレガント、そしてパワフルなオーラとともに、凛とした佇まいを見せる。
プレッピーなスタイルに遊び心を加えたウェアも印象的だ。赤線で消した「HATE」のロゴをフロントに据えたニットや、フリルやダメージ加工をあしらったVネックのニットなど、ひねりを加えアイキャッチに仕上げたピースが登場。ニットベストやひざ下丈のスカートには、星のスタッズを配してきらびやかに仕上げた。アーガイルのニットは、袖をボーダーで切り替えることで斬新な雰囲気に。スカートとパンツのレイヤードとコーディネートすることで、アヴァンギャルドな着こなしを提示した。
さらに、マリンルックを彷彿させるディテールも目を引く。錨マークを散りばめたニットや、金ボタンのダブルブレストジャケット、ショート丈のダッフルコート、ボーダーのニットなど、クリーンかつ都会的なアイテムが登場。爽やかで海軍風のジャケットにボーダーのインナー、ホワイトのパンツを組み合わせたコーディネートや、ブラックのニットとレッドのパンツを合わせ、全身を黒・白・赤で統一した着こなしなど、海の開放感を彷彿させつつ、都市の風景にも馴染むルックが展開された。