プラン シー(Plan C)の2020年春夏コレクションが、イタリア・ミラノにてプレゼンテーション形式で発表された。
プラン シーの提案するワードローブは、デザイナーのカロリーナ・カスティリオーニ自身の“自分が着たい服”を目指している。今季は、ワークウェア、スポーツウェア、アーバンウェア、イブニングウェアといったあらゆる境界線を取っ払って、新しいジャンルのアプローチを試みた。それらは“自分の着たい服”なのだから、どんなエッジィなハイブリッドであっても、快適さを保っている。
キーテキスタイルとして登場するチェック柄は、様々な表現でスタイリングに取り込んだ。フォーマルなグレンチェックのスーツから、グリーンとブルーがクロスするグラフィカルなギンガムチェックまで、クラシックにもポップにも表情を変える。そして今季のキーカラーであるジェイドグリーンの爽やかな色彩は、ボックスシルエットのマニッシュなスーツやトレンチコート、あるいはフェミニンなプリーツスカートなどで楽しんでいる。
フローラルプリントも、境界線のないプレイフルなコレクションに一役買っている。ライトなカラーリングで描く花柄はまるでフェミニンの象徴のよう。ハイパーロングのスカートにあわせたり、ドローコードでシルエットを遊べるスポーティなロングベストにあわせたりと、表情豊かに組み合わるスタイリングは日常感たっぷりでエフォートレスだ。
境界線のないハイブリッドな要素を言及するなら、ヴィンテージスポーツから着想を得た、ポロドレスやニットポロシャツ、カラーブロッキングのカーディガンを挙げたい。スポーティでありながら、エレガントなテクスチャーのスカートとのコンビネーションを楽しむのも今季らしい特徴だろう。また、ナイトシーンを想起させるドレスに、あえてポップなポルカドットを配しているのも面白い。
すっかりブランドを代表するモチーフとなったカロリーナの娘が描く、遊び心たっぷりの絵も、これらのウィットに富んだワードローブにあしらわれる。シャツやプルオーバーのほか、片手に持ったバッグにも登場させ、“自分の着たい服”の中でお気に入りのアイテムを増やしている。