ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto) 2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。
今シーズンもスタートは、ヨウジヤマモトが生み出す黒“ノワール”の世界。編み込んだ細長い布をフリンジのように長く垂らしたジャケットや、腰回りと背中にグラフィカルなカッティングを施したロングドレスなどがランウェイを黒に染めていく。裾がうねるようなラインを描いたドレスは、重力に反した躍動感のあるシルエットを見せている。
漆黒の世界が途切れたのは、布を複雑にたぐり寄せたり、縫い付けたりしたホワイトドレスが現れてから。それに続くのは、色彩豊かな花のグラフィックをあしらったドレス。生地をたっぷりと使って無数のドレープを生み出したボリュームドレスに、力強いプリントがのることで、そのエネルギーを開花させている。
ヒジャブのようなヘッドアクセサリーを纏ったブラックドレスには、パープルのフラワー刺繍でアクセントを加えて。至る所に切り込みが入っており、そこから剥がれ落ちたパーツからも、鮮やかな裏地が顔を出している。
今シーズンのインビテーションには複数のマグネットが付属していたが、どうやらそれが指し示していたのはブラックのシャツドレスを筆頭としたルック。ショルダーから袖のように飛び出した四角い生地や、背中から前方へと手繰り寄せた布地を、磁石で止め合わせたかのようなディテールが見て取れる。
ショー終盤、『神田川』をアレンジしたサウンドが流れると、繊細な手仕事の光るピースが登場。無数のビーズで流麗な模様を描いたチュールスカートや羽織りが、フィナーレに向かって歩みを進めた。