Q. ブランドが成長しても、変わらず貫いている“自分らしさ”とは何でしょうか。
洋服作りに対する情熱や、周囲に対する感謝は、当初からほとんど変わっていません。今世界中に130人ほどのスタッフがいますが、本当に素晴らしい人たちが僕のブランドを支えてくれています。デザイナーである僕自身が共鳴する価値観はもちろん、ブランドのDNAも立ち上げ当時から変わっていないことの1つです。
Q.では、ブランドが成長するにつれて、変化したことはありますか。
初めはベーシックなアイテムを作ることにこだわってきましたが、最近のコレクションではよりデザイン性の高いものを発表しています。これまではメンズの定番アイテムでしっかりと土台を作るということを戦略的にやってきたのですが、今ではより自由な発想で洋服を作っていますね。
Q.なぜそうなれたと思いますか?
シーズンを重ねて自信が付いてきたのでしょうね。今では世界中に素晴らしいビジネスパートナーがいて、売り場でしっかりと支えてくれるスタッフがいて、自分の洋服を気に入って買ってくれるファンがいて、そういう風にブランドが成長していく中で、リスクも取れるようになってきました。
Q.1つの変化として、2019年秋冬からはウィメンズコレクションをスタートさせますね。
ウィメンズコレクションは、ずっと夢見ていたことだったので、とても嬉しいです。先ほども話したようにメンズウェアを作ることになったのは偶然で、自分のブランドを立ち上げる時も「これだけメンズをやってきたのだから、始めるなら“まずは”メンズからやろう」というスタンスだったんですね。
2018年秋冬コレクションなど、これまでにもショーにはウィメンズモデルを起用したこともあるし、実は店頭でもメンズを喜んで買ってくれるお客さんがいて。女性にもブランドが浸透しているなと手ごたえを感じてきたこのタイミングで、ローンチすることに決めました。
Q.ウィメンズウェアはどのような発想をもとに制作しているのでしょうか。
メンズと同じです。アミ アレクサンドル マテュッシをいいなと思って着てくれている男友達と同じように、女の子の友達も、僕の洋服を気に入って着てくれているというイメージ。
友達のコミュニティというのは、映画や音楽が好きとか、食事にすごくこだわっているとか、同じ趣味があれば男女でも成り立つと思うのですが、アミ アレクサンドル マテュッシのメンズとウィメンズはそれと同じような感覚。ファッションのテイストが似ている友達が、男女問わずに同じグループにいるというイメージです。
Q.本格ローンチとなる2019年秋冬ウィメンズコレクションの特徴について教えてください。
ブルジョワ階級のフレンチシック、B.C.B.G.(bon chic bon genre)のイメージです。アイテムは、ダブルブレストのジャケットやコート、レザーシューズなどクラシカルなものをセレクトしつつ、メンズライクなトレーナーもチョイスしてストリートな雰囲気もプラスしました。カラーはエレガントなベージュに、マカロンのようなパステルピンク、ピスタチオグリーン、バニラホワイトで構成されています。オールドエレガンスに、モダンなツイストを加えたコレクションです。