アニメーション映画『野生の島のロズ』が、2025年2月7日(金)より公開。日本語吹き替え版の声優を務める綾瀬はるかと柄本佑にインタビュー。
映画『野生の島のロズ』は、『シュレック』や『ボス・ベイビー』などのアニメーション映画を手掛けてきたドリームワークス・アニメーションによる作品。原作はアメリカの作家ピーター・ブラウンの児童書「野生のロボット」シリーズでベストセラー作品として話題を集めた。
主人公は、不時着した無人島で偶然起動した、最新型アシストロボットのロズ。島の動物たちから“怪物”と呼ばれ避けられていたロズは、ある日、偶然見つけた雁(ガン)の卵を孵化させることに。ひな鳥をキラリと名付け、ハズレ者のキツネ・チャッカリらにサポートしてもらいながら子育てに奮闘するうちに、やがてロズの中に心が生まれていく。
今回は、日本語吹き替え版でロズ役を演じた綾瀬はるかと、チャッカリ役を演じた柄本佑にインタビュー。本作のテーマである“家族愛”についてや、映画の魅力、最近ハマっていることまで、幅広く話を伺った。
本作は“親子の絆”が大きなテーマの1つとなっています。お2人がこれまでに「家族から大きな愛をもらったな」と思うエピソードがあれば教えてください。
柄本:なかったら、どうしましょう。(笑)
綾瀬: (笑)
柄本:という冗談はさておき。僕の両親はともに俳優ですが、意外にも演技の話に全然興味を示さないんですよ。親父にしても、僕が出てる作品を観てるんだか観てないんだか分からないような感じで。でもね、本当は全部観てるの。(笑) 何も言わないんですけど、全部観ててくれてる。そこに愛情を感じます。
綾瀬:それはもう大きな愛情ですね。
柄本:愛情だよね。影ながら応援してくれていて、ありがたいなと思います。
綾瀬:私は、悩んだり自信がなくなったりすると母親に電話して話すんですけど、母は最終的に、絶対すごい自信をつけてくれるの。そこに愛を感じます。
例えばこの間、母親に電話で「明日泣くシーンがあるんだよね。本当に重いシーンでさ~、しんどいな…。」みたいなことを言ったら、「なーに言ってんね~ん!お母さんは3分あれば泣けるよ!動物が死んだ話を思い出してごらん~」って言われて。え、何の話?みたいな。(笑)
柄本:そういう問題じゃないんだけど、ってね。(笑)
綾瀬:そうそう。なんかすごいズレたアドバイスをもらって、それがめちゃくちゃ面白いなと思って。「あ~大したことないよ~絶対大丈夫よ!」って言われて、そうしたら私も最終的に「あ、そっか~!ありがとうね~!」みたいな感じになって。
柄本:でもそうやって勇気づけてくれる存在って、すごくありがたいです。なんでもお母さんに言えるのはすごくいい関係。
綾瀬:確かに、親友みたいな感じかもしれないですね。
柄本:お母様のそういうカラっとされている部分は、綾瀬さんがすごく引き継いでいる感じもする。
綾瀬:いやでも私は割と悩んだりもするタイプ。母に話すと悩んでたことが一掃されるというか。「あれ、なんで悩んでたんだっけ?」ってなっちゃう。(笑) 心が軽くなる言葉を言えるって、すごいことだなって思います。
柄本:分かる。そんな風に誰かを支えられる人になりたいけど、なかなかできないよね。ものすごい難しいです。
綾瀬:そうなの。やっぱり生きてきた経験とか知恵がないと、「人にあんなこと言ったけど大丈夫だったかな?」とか、「正解だったかな?」とか、言葉の責任を色々と考えちゃいます。
映画『野生の島のロズ』のオファーを受けた時の感想はいかがでしたか?
柄本:僕はアニメが大好きなので、単純に嬉しかったですね。それと同時に、好きだからこそ、すごく緊張しました。声優さんへのリスペクトもあるし、どこか憧れていたところもあったので、最初はかなり不安でした。
やっていくうちに緊張はほぐれていきましたか?
柄本:そうですね。作品自体にパワーがあってとっても面白かったので、どう転んでも素敵な作品には違いないという気持ちもありました。あとは、日本語版演出をしてくださった鍛治谷功さんがすごく素敵な人で、それも大きかったです。
綾瀬:ね!優しくて、分かりやすかった。
柄本:そうそう。具体的に指示を出してくれる方でした。鍛治谷さんの船に乗っていけば大丈夫という感じで進めることができました。
「作品自体にパワーがある」とおっしゃっていましたが、映画『野生の島のロズ』の1番の魅力はなんだと思いますか?
柄本:もちろん物語的な面白さは大前提としてあるのですが、1番はこの作品が持つ“ピュアさ”だと思います。それはキャラクターのピュアさであったり、物語のメッセージのピュアさだったりするんですけども。
映画のブックレットで僕も「涙した」みたいなことを言っているのですが、本当に物語の純度が高くて心を打たれるんですよ。感動しすぎて、もしこれが少しでも違うものになっていたらあざとく感じられてしまうかもしれないのですが、そこがすっと入ってくる。
ピュアさがストレートに伝わってくるのは、なぜでしょうか?
柄本:クリス・サンダース監督の純粋さが反映されているからだと思います。監督とお会いさせていただいたのですが、監督自身がとっても純粋で、柔らかくて、優しくて、本当に壁のない方でした。そんな監督が信じた物語だからこそ、作為的じゃない、まっすぐな感動が生まれるのかなって。きっと皆さんもこれを観たら、物語に没入して、キャラクターと一緒になって喜びも悲しみも楽しめると思いますよ。
綾瀬さんは、魅力をどこに感じましたか?
綾瀬:映画の中では色んな動物が出てくるのですが、それぞれのキャラクターから人として学べることがすごく多いんです。たとえばロズだったら、素直にいろんなことを吸収して人のために生きる姿だったり。
柄本:主要キャラクターはもちろん、“ちょい役”の動物たちもすごく素敵だよね。登場時間に関係ない良さがある。
綾瀬:そうそう。渡り鳥のリーダーの“クビナガ”とか、飛行の先生“サンダーボルト先生”が長老の知恵や飛び方を教えてくれたりね。ぐっとくる言葉をたくさんくれる作品だなと思います。
綾瀬さんは、声優が約6年ぶりだったとお聞きしました。
綾瀬:『インクレディブル・ファミリー』の時以来かな?久しぶりだったので私も緊張しました。
今回はロボット役だったのですが、台本に「ロボットに感情が芽生えていく段階を、声だけでちゃんと表現してください」みたいなことが書いてあって、それで余計緊張感が増しました。(笑)