アミ アレクサンドル マテュッシ(ami alexandre mattiussi)は、2020-21年秋冬メンズコレクションを、2020年1月14日(火)にフランス・パリで発表した。
今シーズンの会場は、劇場「ル・トリアノン」。華やかな装飾が施された劇場の中で、アミ アレクサンドル マテュッシの9周年アニバーサリーとなるコレクションが発表された。ステージ上に注目が集まる中、アコーディオン奏者が壇上に登場し、演奏を開始。わずかに開かれた幕の間からモデルが現れ、ショーがスタートした。
展開されたのは、スペクタクルな要素を加えたクラシカルなウェアの数々。劇場という、品格と娯楽の空気を兼ね備える場にふさわしいルックを揃えた。1つ1つのデザインのアプローチはシンプルだが、思わず目を留めたくなる華やかさを秘めている。
注目したいポイントは、シルエットの優雅さだ。襟やボタンも大ぶりに作ったオーバーシルエットのウールコートや、襟を立てて着たステンカラーコートといったアウターから、緩やかなセンタープレスのパンツに至るまで、モデルの身体との距離感や布地の動きに無駄が無く、洗練された美しさを見せる。
ダブルのジャケットに合わせた、グレーのハーフパンツは、一見するとスカートのようにも見えるエレガントなドレープが印象的。なめらかな布地をたっぷりと使い、上品な表情に仕上げている。
華やかなフリル使いやスパンコールといった、スペクタクルな要素が目を引いた。前立て部分にフリルをあしらった光沢感のあるサテンブラウスや、ギャザーを寄せ、肩から身頃にかけて大胆にフリルを配したブラウスは、舞台上の演者が着る衣装を連想させる。
また、カジュアルなデニムパンツや、ブラックのセットアップに合わせた総スパンコールのタートルネックも、舞台や劇場の持つ非日常性を感じさせた。
ショー終盤にはステージの幕が全て開き、パリの街角を表現しているかのような舞台装置が登場。フィナーレではステージ上にモデルが勢揃いし、演劇のカーテンコールさながらの熱気とともに、ショーは幕を閉じた。