MSGM(エムエスジーエム)の2020年秋冬ウィメンズコレクションが、2020年2月22日(土)、イタリア・ミラノで発表された。
ショーの招待状にはnotte=夜の文字。スマートフォンをかざすと「No one hears my monsters but me」のメッセージとともに、まるで幻覚のようなARムービーが投影される仕掛けが施されている。
このインビテーションが示す通り、今シーズンのクリエーション全体に流れているのはサイケデリックなムードだ。ベースにあるのはクラシカルでロマンティックなウェアだが、デザイナーのマッシモ・ジョルジェッティが得意とするハイブリッドの技術で、ひとさじの毒を盛ったエッジィなスタイルへと導かれている。
クラシックなアイテムをダークさを纏ったピースへと昇華するために用いられたのは、ハッとするような極彩色の色遣いやMSGMらしいユニークなパターン。胸元にフリルをたっぷりとあしらったパフスリーブのシャツは、ケミカルブルーに染め上げて。ダブルブレストのブラックジャケットには、ネオンカラーのバタフライを羽ばたかせている。
流れるようなシルエットを描くエレガントなロングドレスには、鋭い眼光の黒猫を、ビビッドピンクの背景の上にオン。とろみのあるシャツには、映画のシーンの一部分を切り取ったかのようなグラフィックを散りばめている。
アイテムだけでなくスタイリングにもロマンティックとサイケデリックの融合が見られ、ホワイトシャツにはミラーボールのようにぎらぎらと輝くシークインのドレスをレイヤード。ピークドラペルのジャケットにはポップアートのようにカラフルなプリーツスカートを差し込んでいる。