GCDS(ジーシーディーエス)の2020年秋冬メンズコレクションが、2020年2月22日(土)、イタリア・ミラノで発表された。ウィメンズとの合同ショー形式である。
前シーズンは、日本の漫画やアニメといったサブカルチャーをインスピレーション源に“かわいい”文化を落とし込んだストリートウェアを展開したGCDS。モデル・タレントのkemioがランウェイに登場したことでも注目を集めた。
今シーズンはデザイナー ジュリアーノ・カルツァのルーツである故郷、南イタリアにオマージュを捧げたクリエーションを展開。幼き頃のナポリの空気感を反映させるため、ジュリアーノは子供の頃の思い出と、イタリアのアイコニックなモチーフをミックス。自分の故郷で開かれる“過去と現在”を融合させたパーティーに、ゲストを招待するような感覚で、コレクションを作り上げた。
コレクションは、小さい頃に夢中になったアメリカのポップミュージックカルチャーを彷彿とさせるムードや、トム&ジェリーのグラフィックをあしらったボアジャケット、ナポリを拠点とするサッカーチーム「SSCナポリ」のニットトップスなどをごちゃまぜにした“カオス”な雰囲気。
ただしベースにあるのは、これまでGCDSが得意としてきたストリートウェアよりも、ややクラシカルなアイテムだ。ピークドラペルのロングコートやクルーネックのジャケットなどがその好例である。アウター、トップス、ボトムスともに極端にオーバーサイズということも無く、伝統的な衣服の形状を受け継いでいる。
シルエットの代わりに遊び心をもたらしているのが、素材や装飾、カラーなど。艶やかな光沢を纏ったエナメル風のボトムスや、きらきらと輝くストーンを散りばめたデニムパンツなどが姿を現す。カラーパレットはブラウンやブラックなど落ち着きのある色彩をベースに、ペールピンクやアイスブルーなど柔らかなパステルトーンを取り入れて華やかに仕上げた。