ヴァレンティノ(VALENTINO)は、2021年春夏メンズコレクションを、ウィメンズとともにミラノ・ファッションウィークにて発表した。
今季のヴァレンティノは、個の進化したアイデンティティを探求。本来の姿に気づき、パーソナルな表現に向き合うこと、物事や人生に対するまなざしを向けることこそが「ロマンティシズム」であり、そこに画一化されたルールはなく個々の足並みによって解釈される。“今あるべき姿とは?”という問いに向き合い、進化したアイデンティティを形成していくビジョンをコレクションに投影した。
ウィメンズと同様、ショート・ロングといった対照的なシルエットが共存しているのが印象的だ。テーラードジャケットやシャツの裾に隠れてしまうほど短い丈のショートパンツや、レース、クロシェ編みのショートパンツがアクティブな雰囲気を形作る一方で、ロング丈のパンツは布地をたっぷりと使い分量感のある仕上がりに。
パンツのウエストからあえてシャツの裾を出してテーラードジャケットを着たり、セットアップのインナーにTシャツをセレクトしたりと、端正な仕立てのウェアもラフな着こなしによって自由なムードを漂わせている。タックワイドパンツに組み合わせたブルゾンはエレガントな総レース仕様になっており、クラフト感とともに優雅さを演出した。
ダイナミックなフラワーモチーフもアイキャッチなピース。花が舞うプリントのフーディーにはヴァレンティノロゴを配し、パープルのオープンカラーシャツにはエレガントなローズをあしらった。グリーンの半袖ニットには、ピンクのユリモチーフを組み合わせて生き生きとした表情をプラス。細やかな手仕事がなせる豊かな風合いと、明るい華やかさをもたらしている。
バッグは、ざっくりと口の開くレザートートバッグや身軽な印象のコンパクトなレザーショルダーバッグが登場。レザーショルダーバッグにはマクロなスタッズを配し、アクセントを効かせている。
また、リーバイス(Levi's)とのコラボレーションも発表。1960年代に誕生したリーバイスの象徴的な「クラシック 1969 リーバイス 517」ブーツカットジーンズを再解釈した。