スポーツマックス(SPORTMAX)の2021年春夏コレクションが発表された。
「肉体が魂でないのなら、魂とは一体何なのだろう?」──今季のスポーツマックスは、アメリカの詩人ウォルト・ホイットマンの一篇の詩“I Sing the Body Electric”の言葉に着想を得た。自らの肉体を通して純粋な魂を物語るように、流麗なフォルムでもって身体のラインを際立たせる、軽やかで官能的なスタイルを披露した。
身体の官能を引き立てるのは、透けるように薄く柔らかな素材感だ。ハイテクな素材と柔らかな肌触りの生地をアシンメトリックに重ねたドレスは、歩みを進めるごとにたおやかにたなびき、動きに富んだ表情を生みだす。とりわけ、ニュートラルな色合いに重ねられたヴィヴィッドカラーのワンピースやトップスなどは、遊び心あふれるコントラストが織りなしている。
アシンメトリーなデザインと深い切り込みが素肌を露わにするドレスは、なるほど身体を隠しては見せる戯れにより、その魅惑を直接的に表現するものだ。他方、テーラードジャケットには、ゆったりとしたダブルブレストジャケットや、ウエストを絞りつつも袖や丈の長さを際立たせたものが揃い、エレガントな構築性と身体のラインとがせめぎ合うようにして互いを引き立てている。
艶やかに身体に寄り添うドレスやジャケットなどに対して、アウターはそれらを包み込むかのようにゆったりと仕上げた。足元にまで達するほどの丈感に仕立てたロングコートは、シアーなハイテク素材を使用し、その下に透かしてみせる身体とのコントラストを情熱的に表現している。
色彩の中心軸は、柔らかくニュートラルなベージュやホワイト、ブラックなどである。他方で、ブルーやミントグリーン、イエロー、オレンジなどのヴィヴィッドなカラーは、シアーな素材や光沢を放つテキスタイルにのせられ、色彩がもつ多彩な表情が引き出されている。また、虹色にきらめきを放つパンツや、サイケデリックなタイダイ柄をプリントしたスカートなども、シックさのなかに強烈な個性を接ぎ木している。