ニール バレット(Neil Barrett)が2013年6月22日、2014春夏コレクションをイタリア・ミラノで発表した。1930年代のバウハウスのモダニズムを俎上に乗せた2013年秋冬コレクションを経て、今回選んだテーマは1950年代のカリフォルニアのミニマリズム。その中でもとくにチャールズ・イームズとレイ・イームズの作品からインスピレーションを受けている。
今回のコレクションを象徴するのは、“ブロックチェック"に尽きる。ファーストルックの白×黒のブロックチェックのTシャツと同柄のノーカラーブルゾンの重ね着を皮切りに、アメリカのワークウエアやアウトドアウエアに用いられることが多いブロックチェックを、プリントや素材でルービックキューブのように組み替えて、ベーシック柄の再構築に挑んだ。
ブロックチェックの次に目立つのが、変則的なボーダー。胸元で波動のような曲線でボーダーと無地を切り替えたTシャツや、バーコードのようなボーダーのレザージャケットなどを披露。ジャケットやチェスターコートのボタンは廃し、代わりにマグネットとベロクロを使用。アウトドアウエアに使う止水ジッパーも積極的に採用ミニマリズムの表現としていささか使い古された手法だが、どれも魅力的なアイテムに仕上がっている。こうしたアウターに合わせるボトムスは、膝上10センチ丈のショーツや、クロップド丈のトラウザー。カラーパレットは白、黒、グレー、赤で全てのコレクションを構成した。
派手なプリントをパタンオンパターンで組み合わせる流行は当然目に入っているだろうが、敢えてブロックチェックという究極にシンプルな柄の編集で新しさを生み出したニール・バレット。ミニマリストの挟持を感じずにはいられなかった。
Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)