リック オウエンス(Rick Owens)が、フランス・パリで2014春夏コレクションを発表した。ショーの幕が上がると、黒のレスリングユニフォームに狼マスクを被ったエストニアのハードコアバンドメタルパンク「Winny Puhh(ウィニー・プー)」が登場。ノイジーで爆発的なパワーを秘めた音が炸裂すると同時に、左右から同時にモデルが歩く演出でショーはスタートした。
ファーストルックは、大きく開いたVネックにレザーの切り替えが特徴的なコート。ボトムはコートに隠れて見えないから、まるでワンピースを着ているように見える。大きく開いたVネックはコレクションを通して多く見られ、男らしさと色気の演出に一役買っている。
体の中心から10センチほど右にずらした位置に垂直に配したジッパーも象徴的なモチーフで、ロング丈のレザージャケット&ベスト、チュールとレザーを組み合わせたシースルーのタンクトップなどで表現。古代ギリシアの衣装のように右の脇を三角形に露出したカットソーや、フリンジのレザーベルトなど、リックらしいユーモア溢れるアイテムが揃った。色は今回もストイックにブラック&ホワイトのみ。
日本でも大人気のスニーカーは、四角の紐が印象的なフューチャリスティクなものと、スノーブーツのような雰囲気のブーツタイプを用意。アディダスとコラボレーションにより誕生したアイテムだ。
開演当初からツインドラムは床に対して垂直の状態(セットごと)でプレイしていたが、ラストにはボーカル、ギター、ベースが片足で宙づりになり、その状態で演奏。音と演出の過激さも上手く融合し、いつも以上に男らしくマッチョな印象を受けたコレクションだった。
Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)