クリスヴァンアッシュ(KRISVANASSCHE)の2014年春夏メンズコレクション。テーマは「コニャック スポーツ」。
ファーストルックから4体連続するのは、1970年代のアウトドア用のカンガルーポケット付きのアノラックのモチーフを引用したアイテム。ジップパーカー、半袖シャツ、半袖ベスト、ジャケットの順で、全てがプルオーバー型となる。
ジャケットは、細めのラペルと絞りのない袖などのテーラードの要素と、アウトドアの要素の相反するディティールを、違和感なく馴染ませている。カンガルーポケットのジップ使い、ショールカラーのニットを思わせる胸回りの処理、ゴムを入れてシャーリングさせた裾は、アウトドアウェアによく見られるディテールだ。
プルオーバーのモチーフは、コレクションを通して多く見られ、トレンチコートとアウトドア用のヤッケを融合させた“トレンチプルオーバーコート”、1950~60年代のレディースのスキーウエアを連想させるプルオーバーのスキーウエアなどを提案している。
中盤から後半にかけては、ドットの行進。パターンオンパターンのスタイリングやドットの配置を工夫することで、可愛くなりがちな柄をミニマルに見せている。クロコダイル柄をパズルのようにプリントしたシャツも印象に残るアイテムだ。
キーカラーはグリーンで、テーラードスーツをはじめ多くのアイテムに用いられている。ベースカラーは、ブラック、ホワイト、ベージュ、ネイビーで、オレンジと靴とバックパックのショルダーストラップに使われたブラウン(コニャック色)が挿し色として印象的に使われている。1970年代のアウトドアウエアやバックパックには、茶色のレザーがアクセサリーを連結するパーツ(ブタ鼻)や補強目的で使われていた。
Text by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)