特別展「畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─」が、京都国立博物館 平成知新館にて、2021年10月9日(土)から12月5日(日)まで開催される。
東京・白金台の閑静な地に建つ畠山記念館は、実業家の畠山一清が50年かけて集めた日本・中国・韓国の古美術品を中心に収蔵、展示する美術館だ。即翁(そくおう)と号して能楽と茶の湯を嗜んだ彼のコレクションは、国宝6件、重要文化財33件を含む約1,300件にも及ぶ。
特別展「畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─」は、茶の湯を中心とする畠山記念館のコレクションを紹介する関西初の展覧会。同館が所蔵するすべての国宝と重要文化財31件を含む、200件超の東洋古美術の名品を一挙に展示する。
即翁は自ら茶の湯を嗜み、茶道具の名品を熱心に蒐集した。1,300件にものぼる茶の湯の所蔵品は、だれもが認める名品からなる一方、国宝《離洛帖(りらくじょう)》にみる大胆な筆致の書や、志野水指といった破格ともいえる造形の茶道具など、即翁自身の審美眼に従ったものも含まれる。
本展では、信長や家康と名だたる武将が所持した名画《煙寺晩鐘図》(国宝)、秀吉や江戸時代の代表的茶人・松平不昧が所持した名物茶入《唐物肩衝茶入 銘 油屋》(重文)、そして本阿弥光悦作で即翁が愛蔵した《赤楽茶碗 銘 雪峯》(重文)など、茶の湯の名物の数々を目にすることができる。
即翁が蒐集した能面や能装束は、美術品であるとともに、自らが演能に際して着用するものでもあった。会場では、能の原点ともされる演目『翁』に用いられる《能面 翁》といった能面や、《段替に唐花根笹文様厚板唐織》などの華麗な装束の数々を展示する。
即翁は琳派の作品も数多く蒐集した。本展では、俵屋宗達が四季の草花を描き、その上に本阿弥光悦が『古今和歌集』の和歌を書いた《四季草花下絵古今集和歌巻》や、流水とその岸辺に咲くツツジを洗練された構成で描いた尾形光琳筆《躑躅図》、四季の花木を40種類以上華やかに描いた渡辺始興筆《四季花木図屏風》(いずれも重文)などを展示し、華麗な琳派の世界を紹介する。
特別展「畠山記念館の名品─能楽から茶の湯、そして琳派─」
会期:2021年10月9日(土)~12月5日(日) 会期中に一部の作品の展示替えを実施
[主な展示替え=前期 10月9日(土)~11月7日(日) / 後期 11月9日(火)~12月5日(日)]
会場:京都国立博物館 平成知新館
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
休館日:月曜日
開館時間:9:00~17:30(入館は17:00まで)
※観覧料は決まり次第告知
※会期などは変更となる場合あり(最新情報を博物館ウェブサイトなどにて確認のこと)
【問い合わせ先】
TEL:075-525-2473 (テレホンサービス)