チノ(CINOH) 2022年春夏コレクションが、2021年9月2日(木)に発表された。“武器より、花を。”そんなデザイナーの優しいメッセージが込められた今シーズンは、自然素材を取り入れながら、ボタニカル模様をキーモチーフに起用した柔らかな空気に包まれている。
リアルクローズをベースに、素材やディテールのさりげないアレンジを得意とするチノ。それは春夏の温かな空気に包まれた今季も健在で、スタンダードに見えるアイテムの中にこそ、思いがけないサプライズを詰め込んでいるように感じられる。例えば、今季の主役を担う“ボタニカル模様”のパンツに合わせた、軽やかなシャツ。やや丈を長めにとり、ラフに着こなしたこの一着は、まるで袖を二重に仕立てたかのように、”レイヤード風”の表情に仕上げているのが印象的だ。
またメンズで提案するセットアップには、ぶらりと垂れ下がるテープを加えて。ゆったりとしたパステルイエローのジャケットに、インナーと同色であるブラックのテープを採用することで、全体の色彩をキュッと引き締め、どこかクリーンな印象をもたらすストリートスタイルを演出する。
本来主張の強いモチーフに、ソフトな印象をもたらす素材使いも印象的だった。その好例となるのは、オーバーサイズのトップスやスカートに登場した、ストリートライクな太めのライン&V字。従来のようなグラフィックプリントではなく、繊細なレースで表現することで、力強さを抑えたフェミニンなムードへと自然に引き寄せているのが面白い。また同様のモチーフを採用したスカートは、バックスタイルに大胆なスリットを入れることで、センシュアルなムードもプラスしている。
カラーは、ブラックやアイボリー、ブラウンといったベーシックな色合いに、グリーンやイエローなど、爽やかなアクセントを加えて。また今季はシアー素材を取り入れているのも特徴で、軽やかなシアー素材からうっすら浮かぶ素肌や爽やかなパステルカラーが、春夏の開放的なムードを高めている。