企画展「合縁機縁〜大倉集古館の多彩な工芸品〜」が、東京・虎ノ門の大倉集古館にて、2022年8月16日(火)から10月23日(日)まで開催される。
大倉集古館は、1902年(明治35)、実業家の大倉喜八郎が自邸内に開館した大倉美術館を前身に、1917年(大正6)に財団法人化した現存最古の私立美術館だ。喜八郎は日本と東洋の仏教美術、絵画、工芸品、考古遺物、典籍などを幅広く収集したものの、1923年(大正12)の関東大震災により、所蔵品の多くが災禍に見舞われた。その後、嫡子・喜七郎からの寄贈品を加え、現在の大倉コレクションが成り立っている。
企画展「合縁機縁〜大倉集古館の多彩な工芸品〜」では、大倉集古館の歴史を振り返るとともに、その所蔵品のなかから長く公開されなかった貴重な工芸品を紹介。漆工品や中国の染織品、明治期から昭和期の刀剣の優品を展観するほか、東京国立博物館所蔵の優品とともに中国の陶俑も展示する。
大倉集古館設立当初の目玉のひとつが、漆工品であった。世界一と謳われたそのコレクションは、しかし、関東大震災によって数点を除いて失われている。本展では、《唐草文螺鈿手箱》など、震災をくぐり抜け、喜七郎や喜八郎の目を楽しませてきた中国の漆工品を目にすることができる。
政商として知られた大倉は、軍部との繋がりから、たびたび刀剣の寄贈を受けた。本展では、天皇の御用も行った初代月山貞一や日置兼次をはじめ、有栖川宮家のお抱え刀工であった桜井正次らの名刀を展示。加えて、戦前の大倉財閥が満州開発を行なった際、この過程で採れた中国本渓湖の鉄鉱石を用いた刀剣も紹介する。
中国の墓磚や陶俑は、1917年に財団法人大倉集古館が開館した際の所蔵品の特色のひとつであった。現在所蔵されるのは43点であり、そのなかには関東大震災の災禍を受けたものも数多く存在する。本展では、《加彩駱駝》や《加彩女子》などの俑を、東京国立博物館所蔵の俑の優品とともに展示し、日本における最初期の陶俑蒐集の一端に光をあてる。
企画展「合縁機縁〜大倉集古館の多彩な工芸品〜」
会期:2022年8月16日(火)〜10月23日(日)
会場:大倉集古館
住所:東京都港区虎ノ門2-10-3 The Okura Tokyo前
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入館料:一般 1,000円、大学生・高校生 800円、中学生以下 無料
※同会期中のリピーターは200円引き
※20名以上の団体は100円引き
※障がい者手帳、被爆者手帳の提示者およびその同伴者1名は無料
※展覧会は中止または変更となる場合あり(最新情報については美術館ウェブサイトを確認のこと)
【問い合わせ先】
大倉集古館
TEL:03-5575-5711