1017 アリクス 9SM(1017 ALYX 9SM)は、2024年春夏メンズコレクションを発表した。
散見されたのは、生地の質感やディテールにツイストを加えることで、アクティブながらも洗練された佇まいに仕上げたウェアだ。コットンキャンバスのジャケットやコート、パンツは、後染めやスプレーを吹きかけることで、褪せたような色彩や土のような色味に。曖昧な色彩の揺らぎやアタリによって、ベーシックなワークウェアに抽象的な表情がもたらされている。
加えて、程よく光沢を備えたレザーベストやハーフパンツ、ブルゾンもまた、ミニマルなデザインを採用することによって凛とした雰囲気に仕上げた。特に、レザーベストは装飾をそぎ落としたフラットな仕立てにより、シャープさとレザーの持つタフさが共存しているのが印象的だ。
また、程良くゆったりとしたジーンズにチェックシャツやスウェットを組み合わせたスタイリングをはじめとする、ノスタルジックな装いのルックも目を引く。
半袖に長袖を重ねたハーフジッププルオーバーには、緩やかながらクリーンな印象のナイロンパンツを合わせ、胸元にスポーティーなロゴを配した艶やかなトラックジャケットにはシンプルなクロップドパンツやレザーブーツをコーディネート。過去を彷彿させるリバイバルの要素を用いながらも、組み合わせるピースやウェアを研ぎ澄まし、ひねりを加えていくことで現代的なルックに仕上げている。
デザインにアクセントを効かせるのは、デフォルメされたロゴやモチーフ。レザーのインターシャジャケットやメッシュベストには、幾何学的に解釈された“A”のロゴを大胆に表現し、白シャツやトラックスーツのワンポイントにも“A”ロゴを採用した。また、空気を含むようにふわりと仕上げたナイロンのトップスは、フロントに幾何学的なモチーフを小さくレイアウト。コントラストカラーで小さくモチーフを配置することで、抽象的ながらもシンボリックな存在感を放っているのが見て取れる。